Atomos(ブース:7.B19)は、同社のクラウドプラットフォーム「ATOMOSphere」とMocha Chai Laboratoriesが開発した「PlanckOne FoleyAI」の連携を発表した。これにより、映像制作者やサウンドエンジニアは、ATOMOSphereワークスペースに保存された映像をPlanckOne FoleyAIへ送り、映像に同期したフォーリー素材を生成できるようになる。
PlanckOne FoleyAIは、単一のショットやシーンから編集済みの作品全体まで映像を解析できる。画面内のアクション、素材、環境を識別し、足音や衣擦れ、衝撃音など、映像に同期したフォーリーサウンドを生成するという。
ATOMOSphereは、ビデオプロフェッショナル、フォトグラファー、コンテンツクリエイター向けに設計されたクラウドベースの制作エコシステムで、メディアのアップロード、保存、編集、共有、レビュー、コラボレーションなどに対応する。
今回の連携により、ユーザーはATOMOSphereワークスペースから動画を直接PlanckOne FoleyAIに送信して解析できる。このプロセスではオーディオステム(分離された音声素材)や参照音を必要とせず、映像に含まれる視覚情報のみを使用する。
PlanckOne FoleyAIは数時間以内に、映像に同期したフォーリー素材の出発点を生成できる。従来は数週間の準備やフォーリーステージの確保を要する場合もあった工程を短縮できるとしている。生成されたオーディオは、足音、衣擦れ、衝撃音など、個別に編集可能な独立したレイヤーとして提供される。
AtomosのCEO、ピーター・バーバー氏は、次のようにコメントしている。
バーバー氏:フォーリーは、信憑性のある没入感の高いサウンドトラックを作る上で不可欠な要素ですが、ポストプロダクションにおいて最も時間がかかる工程の一つでもあります。
PlanckOne FoleyAIをATOMOSphereと統合することで、映画制作者やサウンドデザイナーは、制作の早い段階でフォーリー制作のベースとなる素材を得ることができます。同時に、クリエイティブな最終決定権は、ミックスを構築する制作者側に残されます。
Mocha Chai LaboratoriesのCEO、チャイ・イーウェイ氏は、次のようにコメントしている。
イーウェイ氏:フォーリーは常に、時間と忍耐、そして小道具でいっぱいの部屋で構築される職人技であり、このパートナーシップによってその本質が変わることはありません。
PlanckOne FoleyAIをATOMOSphere内から利用できるようにすることで、映像素材が保存されている環境からそのままツールを利用できます。既存のATOMOSphereユーザーは、新しいソフトウェアをインストールしたりファイルを移動したりすることなく、自分たちのプロジェクトで正式提供を予定しているバージョンをいち早く試すことができます。そこで得られたフィードバックが、今後の開発の指針となります。
生成後も、サウンドデザイナーは各フォーリー素材を個別に調整できる。各レイヤーのタイミング、重さ、質感を、ミックスの他の部分に影響を与えることなく変更でき、キャラクターの動きや作品のクリエイティブな方向性に合わせて微調整することが可能だ。
Atomosによると、PlanckOne FoleyAIはオープンソースの大規模言語モデル(LLM)を利用して構築され、Mocha Chai Laboratoriesが保有するサウンドライブラリと実際のポストプロダクションデータを使用してトレーニングされているという。既存の編集パイプラインに直接統合できるよう設計されており、制作チームは現在のワークフローを大きく変更することなく導入できるとしている。
Mocha Chai Laboratoriesのテクニカルリード、リー・ジュンハン氏は、次のようにコメントしている。
ジュンハン氏:PlanckOne FoleyAIを活用すれば、オフライン編集の段階で手間をかけずにフォーリーを追加でき、通常は音が単調になりがちなオフラインカットに質感を与えることができます。
今回の連携により、ATOMOSphereはメディアの保存、レビュー、コラボレーションに加え、クラウド上の映像素材とAIを活用した音声ポストプロダクションを直接つなぐ役割を担う。編集チームとサウンドチームは、映像素材から編集可能なフォーリーセッションの構築へより迅速に移行し、その後のクリエイティブ作業に利用できるオーディオ素材を得られるようになる。
PlanckOne FoleyAI連携の主な特徴
- ATOMOSphereワークスペースから動画を直接PlanckOne FoleyAIへ送信して解析
- 映像に同期した足音、衣擦れ、衝撃音などを生成
- オーディオステムや参照音は不要
- 数時間以内に編集可能なフォーリー素材の出発点を生成
- 個別のオーディオレイヤーを独立して調整可能
- 既存の編集パイプラインに統合可能
PlanckOne FoleyAIは現在ベータ版で、IBC2026のAtomosブースで展示されているATOMOSphereとの連携は技術プレビューとなる。今後、ネイティブ版とサブスクリプションサービスの提供を予定しているという。