ヤマハ株式会社は、プロフェッショナルオーディオ機器の新製品として、デジタルミキシングコンソール「DM5シリーズ」の「DM5」「DM5 Compact」と、I/Oラック「RシリーズユーティリティI/O」の「RUio1608SB-D」「RUio0804-D」「RUio16FLX-D」を2026年11月に発売する。
「DM5シリーズ」は、2023年に発売した「DM7シリーズ」の自然で透明感のあるサウンドやワークフロー、操作性、拡張性をコンパクトな筐体に凝縮したデジタルミキシングコンソール。「DM7シリーズ」と、ラインアップで最も軽量・コンパクトな「DM3シリーズ」の間に位置するモデルとして、用途やシステム規模に応じた新たな選択肢を提供する。
「DM5」と「DM5 Compact」をラインアップし、「DM5」は、2つのフェーダーベイと2基の13.3インチマルチタッチスクリーンを備え、32系統のアナログ入力、16系統のアナログ出力、最大60入力チャンネルの信号処理に対応する。
「DM5 Compact」は、1つのフェーダーベイと1基の13.3インチマルチタッチスクリーンを備え、16系統のアナログ入力、16系統のアナログ出力、最大48入力チャンネルの信号処理に対応する。
両モデルとも96kHzで最大64入力/64出力のDanteネットワークオーディオに対応する。「DM5 Compact」は、「DM5」と同じ高さと奥行きを維持しながら幅を446mmに抑えたコンパクトな設計を採用し、設置スペースが限られる現場や可搬性が求められる用途に適しているという。
また、13.3インチマルチタッチスクリーンを手の届きやすい位置に配置し、用途に応じて「Selected Channel View」画面と「Overview」画面を切り替えられる直感的なユーザーインターフェースを採用している。
さらに、外部機器との双方向制御やリモート操作に対応し、セットアップから本番運用まで効率的なワークフローを実現する。加えて、録音・再生、バーチャル・サウンドチェック、PYスロットによるI/Oおよび信号処理機能の拡張、「Broadcast Package」「Theatre Package」による機能拡張など、幅広い用途に対応する機能を備えている。
同時に発売する「RシリーズユーティリティI/O」は、用途や規模に合わせて入出力を柔軟に追加できるDante対応I/Oラックである。「DM5シリーズ」と組み合わせることで、現在必要とされるシステム規模に対応しつつ、将来的な拡張も見据えた音響環境を構築できる。
概要
- 「DM7シリーズ」のワークフローを継承し、優れた音質と直感的な操作性をコンパクトな筐体に凝縮
- ガラスキーを組み込んだ13.3インチマルチタッチスクリーンにより、迅速で確実な操作を実現
- PYカード、機能拡張パッケージ、ソフトウェアにより、用途に応じた柔軟な機能拡張に対応
- 「Rシリーズ」I/Oラックにユーティリティモデルが加わり、規模や用途に合わせたシステム構築が可能
主な特長
自然で透明感のあるサウンドと充実した信号処理機能
「DM5」と「DM5 Compact」は、同社のプロオーディオ製品が重視してきた自然で透明感のあるサウンドを基盤に、豊富なチャンネルプロセッシングと高品位なエフェクトを搭載している。各入力チャンネルには、RTAオーバーレイに対応した4バンドPEQ(4アルゴリズム)と8種類のダイナミクスを用意し、16スロットのエフェクトラックには、リバーブやディレイ、モジュレーションなど43種類のエフェクトを搭載している。
また、両モデルとも、24 Mixバス、12 Matrix、2 Stereoバス、12 DCAを備えるほか、18チャンネルのUSBオーディオ入出力、ミキサー制御用RJ45端子、音声再生用Bluetoothに対応している。
ガラスキーを採用した新しいユーザーインターフェース
ヤマハによると、13.3インチのメインマルチタッチスクリーンには、デジタルミキシングコンソールとして世界で初めて、触覚的に操作できるガラスキーを採用したという。ガラスキーは、ミキサーの状態に応じて表示内容が変化するダイナミックラベリングに対応し、パネルを複雑にすることなく、より多くの機能へ速やかにアクセスできる。
さらに、ユーザーディファインドキーに使用できる4.3インチのカスタマイズ可能なタッチスクリーンと、4つのユーザーディファインドノブを搭載している。新たな「Dynamic Mode」は、選択チャンネル表示の操作対象に連動し、関連する機能のパラメーターを自動的に割り当てる。メインディスプレイは4段階の角度調整に対応し、設置環境の照明や、着席・立位といった操作姿勢に合わせて視認性を確保できる。
PYカードによる信号処理とI/Oの拡張
両モデルはPYカードスロットを搭載し、用途に応じたカードを装着することで、信号処理能力や入出力を拡張できる。新製品の「PY-DSP」を装着すると、「Premium Rack」で使用可能なエフェクトを最大32インスタンス追加できる。「PY-DSP」は「DM7シリーズ」にも対応し、「Premium Rack Effect」のインスタンス数を拡張できる。
- 「PY64-D」:サンプリングレートコンバーター(SRC)を搭載したDanteインターフェースカード
- 「PY64-MD」:64チャンネルのMADI入出力に対応
- 「PY8-AE」:D-sub 25ピンコネクターによる8チャンネルのAES/EBU入出力に対応
- 「PY-MIDI-GPI」:DIN 5ピンおよびD-sub 15ピンコネクターを介したMIDI/GPI制御を追加
- 「WSG-PY64」:Waves Audio Ltd.製のインターフェースカードで、Waves SoundGridシステムとの接続に対応
※「PY64-D」「PY64-MD」はサンプリングレートコンバーターを搭載している。「PY8-AE」は入力側のみサンプリングレートコンバーターを搭載している。
用途に応じて追加できる機能拡張パッケージ
「Broadcast Package」は、Mix MinusやAudio Follow Videoなど、放送用途で求められる7つの機能を追加する。「Theatre Package」は、4 Bank EQ/DYN、Actor Libraryなど、ミュージカルや演劇の運用を支える機能を提供する。
「DM5シリーズ」は12チャンネルのDuganオートマチックミキサー機能を標準搭載している。追加の「Dugan Automixer License」により、「DM5 Compact」は48チャンネル、「DM5」は60チャンネルまで拡張でき、大規模な会議やカンファレンスにも対応する。ライセンスは「PV Portal」アプリケーションで有効化し、1つのライセンスを複数の対応コンソール間で有効化・無効化できる。
用途に合わせて選べる「RシリーズユーティリティI/O」3モデル
「RシリーズユーティリティI/O」は、「DM5シリーズ」のほか、「DM7シリーズ」「DM3シリーズ」「RIVAGE PMシリーズ」と組み合わせて使用できるDante対応I/Oラックである。小規模システムへの入出力追加から、拡張性が求められる設備音響まで、用途に応じて選択できる3モデルをラインアップしている。
- ステージボックス型「RUio1608SB-D」
16系統のアナログ入力、8系統のアナログ出力、Dante Primary/Secondaryポートを備えたコンパクトなステージボックス型I/Oである。ステージ上での使用を想定したラバープロテクターとキャリングバーを備え、持ち運びや設置時の利便性を高めている。オプションのラックマウントキットにも対応する。
- 1Uサイズの「RUio0804-D」
8系統のアナログ入力、4系統のアナログ出力、Dante Primary/Secondaryポートを1Uサイズの筐体に搭載している。必要な入出力をコンパクトに追加でき、ライブSR、設備音響、企業イベントなど、幅広い用途に対応する。
- 入出力構成をカスタマイズできる「RUio16FLX-D」
16チャンネルの入出力を2チャンネル単位で、アナログマイク/ライン入力、アナログ出力、AES/EBU出力のいずれかに柔軟に設定できる。Dante入出力にも対応し、用途やシステム規模の変化に応じた柔軟なシステム構築を支援する。
共通ワークフローを支えるソフトウェア
WindowsおよびMac対応の「DM Editor」は、オフラインでのセットアップと編集、オンラインでのバックアップ管理に対応する。「DM5シリーズ」と「DM7シリーズ」の双方で使用でき、コンソールファイルは互換性があるため、スムーズなデータ交換が可能である。また、「DM StageMix」と「MonitorMix」は会場内からのリモート操作に対応し、「ProVisionaire Control PLUS」は、用途に合わせてカスタマイズできるコントロール環境を提供する。
※アップデート後、「DM7 StageMix」は「DM StageMix」に名称を変更する。「DM StageMix」は「DM7シリーズ」のファームウェアV2.0(9月10日公開)以降に対応する。
関連オプション
関連オプションも2026年11月に発売する。ラインナップは以下の通り。
- オーディオプロセッシングカード(PY-DSP)
- ラックマウントキット(RK5/RK-RUio1608SB)
- ソフトウェアパッケージ「Dugan Automixer License」(DEK-DUGAN)
- ソフトウェアパッケージ「Broadcast Package」(DEK-BR)
- ソフトウェアパッケージ「Theatre Package」(DEK-TH)
体験イベント「Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2026 -The New Digital Mixing Console-」
導入検討者を対象に、今回の新製品を体験できるイベント「Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2026 -The New Digital Mixing Console-」を開催する。会場では、ホール内に設置した「DM5シリーズ」によるデモンストレーションのほか、新製品展示コーナーを設け、ヤマハのプロオーディオ製品に直接触れながら、その機能を体験できる。
日時・場所
- 東京会場:「ヤマハ銀座スタジオ」(東京都中央区銀座7-9-14)
2026年10月14日(水)、15日(木) 開演:10:30/13:30/16:30 - 大阪会場:「KOKO PLAZA」(大阪府大阪市東淀川区東中島1-13-13)
2026年10月29日(木) 開演:10:30/13:30/16:30
参加方法
事前に申し込みが必要。同ページより希望の日時を申し込む。入場料は無料。