![Vol.187 ゼンハイザー「MKE 200/MKE 400-II」で手軽に動画音声クオリティが向上!音声で視聴者を惹きつける方法を紹介[OnGoing Re:View]](https://jp.static.pronews.com/pronewscore/wp-content/uploads/2022/08/ong187_SENNHEISERMKE_11_top.jpg)
動画撮影中のカメラとMKE 400オンカメラマイク
視聴者が興味深く動画を見てくれるための方法は、ビデオグラファーなら誰もが模索しているのではないでしょうか。映像のクオリティアップは誰でも考える一方で、音声のクオリティアップは見落としがちな方法と言えます。
本記事では、ゼンハイザー社のオンカメラマイクを用いて、誰でも簡単に音声のクオリティアップを実現する方法をご紹介します。
音声の重要性と手軽に高音質を実現するオンカメラマイク
まずは音声の重要性について改めて考えてみましょう。
動画や映像における音声は、「よく聞こえていて当たり前」とも言えるもの。映像に写っている人の声や街の音は「普通に聞こえていて当たり前」であるため、視聴者が重要性を認識することは多くありません。ところが、少しでも出演者の声が歪んでしまえば視聴者の耳は即座に反応し、映像のクオリティに対して疑念を抱いてしまうのです。
高音質化についても同様で、高音質な映像コンテンツにおいて音の良さに言及する視聴者は稀で、多くの場合は「音がよい」ではなく、「臨場感がある」「迫力がある」などの印象として認識し、音声をトリガーに映像コンテンツへの没入感を高めていきます。
音に意識を向けて映像コンテンツを見てみると、クオリティの高い映像の多くは高音質であることに気がつくでしょう。一方で、歪みや音量の問題でよく聞こえない映像においては、自然と離脱してしまう視聴者が多くなるものです。
このように、映像における音声は、視聴者を惹き込むために重要な役割を果たします。
しかし、良い音声を収録するためには相応の機材とノウハウが必要で、さらには映像と音声を別々に収録すると編集の手間が増えてしまうのも事実です。
このような背景を踏まえ、手軽に音声のグレードアップを図る方法として、オンカメラマイクを用いる方法があります。音声用レコーダーや音声スタッフを必要とせず、映像収録をするだけで音声のグレードアップを図ることが可能です。
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上記画像はマイクブランド、ゼンハイザー社のオンカメラマイクです。マイクの出力端子はカメラに接続できるようになっており、ビデオカメラはもちろん、デジタル一眼レフ、スマートフォンでも使用できるため、YouTuberやVloggerでも装着するだけで音声のグレードアップが可能になります。
コンパクトなボディでハイクオリティサウンド、トーク収録の定番「MKE 200」
ゼンハイザー社のオンカメラマイクの中でもコンパクトな製品が「MKE 200」です。69mm×60mm×39mmというコンパクトサイズながら本格派マイクを搭載しています。音響機器に詳しくない人でも扱えるよう設計されており、接続すれば誰でもすぐに使えるのが特徴です。
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特筆すべきはマイクの指向性です。指向性とはマイクが収音することができる方向のことで、カメラやスマートフォンでは「全指向性(無指向性)」と呼ばれる「全方向の音を収音できるマイク」が多く使われています。これに対しMKE 200では、「スーパーカーディオイド」と呼ばれる「ある一方向の音を集中的に収音するマイク」が使われています。マイクが向いている方向以外の音が入りにくくなるため、自然とカメラを向けている対象物の音が大きく、クリアになります。
また、MKE 200はトーク収録に最適化されているため、声がクリアに収録できるよう低音域がカットされています。声は編集時に低音域をカットする処理が行われますが、MKE 200ではあらかじめ500Hz(中音域)以下は緩やかに下降する特性にチューニングされているため、編集せずとも声がクリアに聞こえるようになっています。
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さらに、本体にウインドプロテクション(風防)とショックマウント(衝撃吸収機構)を内蔵しているため、カメラのマイクでは気になる風の音や振動によるノイズもある程度吸収することが可能です。より風が強い環境で使用するための追加のウインドシールドも付属しています。
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接続はカメラやスマートフォンにケーブルを差し込むだけ。スイッチもないため、まさに接続するだけでクリアな音声が手に入るのです。インタビューやトーク収録、自撮りをするビデオグラファーの最初のマイクとして、MKE 200はこれ以上ない選択肢と言えるでしょう。
調整機構を備えモニタリングも可能にした「MKE 400-II」
さらに音声をグレードアップしたいビデオグラファーに最適な機種が「MKE 400-II」です。ほぼすべての面においてMKE 200より高い性能を持つ上位機種で、サイズを除いてMKE 400-IIでMKE 200がカバーできます。
最も大きな違いはモニタリング機能の有無です。モニタリング機能とは、録音している音をその場で聞くことができる機能。手持ちのイヤホンやヘッドホンをMKE 400-IIに接続することで、音声をチェックしながら収録ができます。低価格のカメラやスマートフォンの場合は撮影終了後に音を聞いて落胆することも少なくありません。MKE 400-IIであれば撮影開始前、または撮影中に問題に気づくことができ、素早く対応できます。
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MKE 200では固定されていた音響特性についても、MKE 400-IIでは調整が可能です。初期状態では低音から高音まで均一な特性を持っているため、トーク収録以外の用途でも活用できるのです。トーク収録をする場合は本体に搭載されたローカットフィルター(低音カットフィルター)をONにすれば無駄な低音をカットできます。
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インタビューやトーク限定でシンプルな操作性を望む場合はMKE 200、汎用性を求める場合はMKE 400-IIを選べば間違いないと思います。指向性やショックマウント機構についてもMKE 200を上回る仕様を持っているため、MKE 200とMKE 400-IIで迷ったのであればMKE 400-IIを選んでおくと良いでしょう。
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スマートフォンで使用するなら「Mobile Kit」
それぞれのマイクシリーズ用製品として「Mobile Kit」が用意されています。これはマンフロットミニ三脚と専用スマートフォンホルダーがセットになった製品で、MKE 200/MKE 400-IIをスマートフォン用のマイクとして使用する場合はぜひ揃えておきたいセットです。
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特にスマートフォンホルダーがよくできており、堅牢で耐久性に優れているほか、三脚穴を含む各種スタンド穴を装備し、縦横回転機構も持っているため、様々な環境や撮影に対応できます。
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手軽に音声のグレードアップを図ることが可能なMKE 200/MKE 400-IIオンカメラマイクを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。音声のグレードアップは多くの機器と知識、スタッフが必要と思われがちですが、オンカメラマイクでかなりのレベルまでグレードアップを実現できます。より視聴者がのめり込む映像を、音声のグレードアップで手に入れてみてはいかがでしょうか。