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はじめに

過日DJIの新ジンバル「DJI RS 3」シリーズ発表のあと、DZOFILMからちょっと気になる製品発表があった。

それが今回紹介の「Vespid Cyber Prime」レンズシリーズ。

この製品のなにが気になるのかと言うと、レンズからフォーカスと絞りの情報を外部機器にリアルタイム送信するという機能。そして同機能の対応第一弾が、DJI RS 3 Proとその周辺装置なのだ。

外観

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このたび登場のレンズは35mm、50mm、75mmの3画角。

  • DZOFILM Vespid Cyber 35mm:税込349,470円
  • DZOFILM Vespid Cyber 50mm:税込349,470円
  • DZOFILM Vespid Cyber 75mm:税込349,470円

交換マウントなどとともに、専用のケースに収められている。

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専用ケース

製品キット内容は以下の通り。

  • レンズおよび前後キャップ
  • PLマウント
  • EFマウント
  • バックフォーカス調整用シム
  • Lemo-TYPE-Cケーブル
  • スクリュー
  • スクリュードライバー
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同梱品一式

基本的にシネマプライムレンズシリーズの要件、各焦点距離(35、50、75mm)で共通の仕様(寸法、重さ、フィルター径、絞り値など)をとっている。外観は全体的にツヤ消しの黒、各種刻印はレモンイエロー、焦点距離の表示は白となっている。視認性が良い。

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レンズ前面上にはイメージサークル径が表示されている。

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「image circle」の刻印

フォーカスリングは、86mmのフィルター径ほぼそのままの鏡胴径において270°回転角。緻密なフォーカシングが可能。目盛りはメトリックとインペリアルの両方で刻印されている。

DZOFilm説明写真

マウントはPLマウント、EFマウントを交換可能。必要なネジ、ドライバーも同梱されている。

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標準のPLマウント
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交換用EFマウント
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同梱のネジ&ドライバー

バックフォーカス調整用のシムも複数同梱されている。

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バックフォーカス調整用シム

上面に本製品最大の特徴となるLemoコネクターが開口している。ここから焦点距離と絞りの情報を外部機器へ送信する。

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Lemoコネクター部
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Lemo-TypeC変換ケーブル

実写:単体編

描画についてはすでに登場しているVespid Primeを継承しているようなので、PRONEWS的には松本氏のレビューを参照してほしい。

これだけでは物足りないかもしれない。そこでネコグラファーでもある筆者がネコ作例を撮影した。

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使用レンズは75mm。カメラはパナソニックLUMIX S1H。同カメラのLマウントにはそのまま装着できないので、マウントアダプター、DZOFILM Octopusレンズアダプターを使用した。

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DZOFILM Octopusを装着したLUMIX S1H
  • DZOFILM Octopusレンズアダプター:税込41,470円

また、映像の撮影にはシャッター速度調整のため専用のリアフィルターを使用した。

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DZOFILM KOOP Filter Standard Set

フィルターはレンズ最後部のリングパーツを取り外しマグネットリング(フィルターと同じ枚数同梱)に交換、以後フィルター自身は磁力により容易に脱着・変更可能な仕組みとなっている。

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マグネットリングとフィルター
  • DZOFILM KOOP Rear Filter for Vespid Primes:税込46,090円

それは改めて、以下より映像と写真の作例を参照いただきたい。

映像作例「cats in the sunset」

    
写真作例
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写真作例
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写真作例
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写真作例
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写真作例
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写真作例
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実写:DJI RS 3 Pro、DJI LiDARレンジファインダー、DJIフォーカスモーター(2022)と併用編

続いてDJI RS 3 Pro、DJI LiDARレンジファインダー、DJIフォーカスモーター(2022)と併用した。これら3つの連動機器詳細については、以下の記事を参照されたい。

この組み合わせでは、従来モデルのVespid PrimeからVespid Cyber Primeへの大きな変更点である、Lemoコネクター経由の絞り・フォーカス転送機能が使用可能となる。

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50mmレンズとDJI RS 3 Pro、DJI LiDARレンジファインダー、DJI フォーカスモーター

この状態では、使用するレンズごとのキャリブレーションとそのプロファイル保存が不要となる。そもそも各部接続、セットアップ完了後はDJI RS 3 Proの設定画面構成が一部変更となり、レンズプロファイル設定、選択項目自体がなくなる。代わりに該当の箇所が再キャリブレーション実施パネルとなる。

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(写真左)Lemoコネクターの接続なし、(写真右)Lemoコネクターの接続あり

レンズプロファイルの呼び出しも不要なので、Vespid Cyberを装着した状態においてはLiDARレンジファインダーのプロファイル選択状態を示す本体LEDはC1に固定される。

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本体LEDはC1に固定される

作例をご覧いただこう。以下のシステム構成により撮影した。

  • DZOFILM Vespid Cyber 75mm(PL)
  • DZOFILM Vespid Cyber 50mm(PL)
  • DZOFILM KOOP Rear Filter ND 8
  • DZOFILM KOOP Rear Filter ND 16
  • DZOFILM Octopusレンズアダプター
  • パナソニックLUMIX S1H
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さらに、サポートにDJI RS 2に搭載した以下のセットアップとドローンDJI MAVIC 3を併用している。

  • DZOFILM Vespid Cyber 35mm(EF)
  • METABONES SpeedBooster ULTRA 0.71
  • Voigtlander NOKTON 60mm F0.95
  • Z CAM E2-M4
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Z CAM E2-M4と35mmレンズ

映像作例「Alseid」

    
写真作例
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写真作例
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写真作例
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写真作例
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気になったところ

筆者的注目仕様のLemoコネクターによる情報送信機能に関係して、コネクター口径が小さいこと及びケーブルが比較的細い点は頼りなく、取り扱いに注意が必要かもしれない。

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まとめ

シネマレンズとしての基本仕様を一通り実装している。描写もアマいところはアマく、キレるべきところはキレていて申し分ない。

登場時期の近いDJI RS 3 Proにまず対応したというLemoコネクター経由の情報送信機能は、元来マニュアルフォーカス運用のものが多いシネマレンズとしては非常に有用で有望な機能だ。特にジンバルを含めた構成で考えるなら、ワンオペで重宝しそうな機能だ。

あとは、さらなるLemoコネクターからの焦点距離や絞りの情報送信がカメラ向けに出力、カメラ側が対応となればExif記録されそうなので、シネマレンズによる写真撮影がはかどるな…などと考えたりもした。

ともあれ、シネマレンズとしては安価。本来必要のある場合はもちろん、スチル向けレンズとは異なる風合いの撮れ上がりを試したい読者諸兄は購入を検討してみてはいかがだろうか。

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  • モデル:山田 朗代
  • 衣装:9uatre
  • 協力:今村写真映像制作所

伊丹迅
綺麗め女子、ネコ、風景を写真・映像で素敵に表現する作家、ドローンパイロット。「Panasonic S5/S1/S1R/S1H User’s Information Board」「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K&6K info」「DJI RS2/RSC2、RONIN、RONIN 4D使用者懇談会」「DJI MAVIC・SPARKオーナーズ」などのFacebookグループを管理運営する。徳島ドローン協会 設立者/事務局長。正体は悪魔音楽集団「ギロチン伯爵」主宰/ヴォーカリストの悪魔、デーモン獄長。

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編集部

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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。