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LEITZ PHONE 3とは

ライカ監修のカメラ機能を搭載したAndroidスマートフォン第3弾「LEITZ PHONE 3」が登場した。ベース機は1型という大きなセンサーを搭載したシャープ製端末の「AQUOS R8 pro」で、ソフトバンクからの独占販売となる。

ライカのエッセンスを感じられる端末

まずはAndroidスマートフォンとしての資質をチェックしてみよう。SoCはSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform(3.18GHz+2.8GHz+2.0Hzオクタコア)。搭載メモリーは12GB、ストレージは512GBとなっている。うれしいことに、microSDXCカードにも対応している(最大1TB)。大量に撮影するフォトグラファーには歓迎される仕様だ。また防水・坊塵性能はIPX5/IPX8・IP6Xである。

これに有効約4720万画素の1型CMOSイメージセンサーを搭載している。レンズは「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」。画角は35mm判換算で19mm相当でF1.9だ。4つのピクセルを1つとして処理するピクセルビニング技術のため、記録画素数は1180万画素だ。もちろんハイレゾ撮影でのフル画素記録も可能となっている。

このようにLEITZ PHONE 3は大きなセンサーと銘レンズのカップリングによって高い画質を得られるのだ。

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1型センサーのシングルカメラを、レンジファインダーのM型ライカのように、ブライトフレームを切り換えて撮影できるのがLEITZ PHONE 3の特徴である。

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端末外観は人気の高級コンパクトデジタルカメラ「ライカQ3」のような仕上がりで、所有欲を満たしてくれるルックスになっている。またメタル製のレンズキャップも付属し、撮影する悦びを演出してくれそうだ。

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進化した「Leitz Looks」

3世代目となったLEITZ PHONE 3は「Leitz Looks」もグンと進化した。「SUMMILUX 28mm」、「SUMMILUX 35mm」、「NOCTILUX 50mm」というライカの代表的銘レンズを楽しめるのは変わりないが、「可変絞り」という新機能が搭載されたのだ。

これはスクリーン上の絞り値を変えることによって、ボケ感や被写界深度の効果を演出できる機能だ。もちろん機械的な絞り羽根を搭載しているわけではないので、描写が微妙なところもあるが、ポートレートやスナップにおいて、背景ボケやパンフォーカスなどの効果を出して撮影を楽しめる機能になっている。

さらにLeitz Looksのフィルターも進化している。これはライカの世界観を表現できる色合いとトーンを味わえるフィルターで「ORIGINAL」、「MONOCHROME」、「CINEMA CLASSIC」、「CINEMA CONTEMPORARY」という既存のフィルターに「ENHANCED」、「VIVID」という2つの効果が加わったのだ。

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ライカの銘レンズ描写と色調を組み合わせて、「スマホでライカの世界」を堪能できるのが、このLEITZ PHONE 3だと言えよう。

ブラブラ LEITZ PHONE 3実写スナップ

このLEITZ PHONE 3でLeitz Looksを用いてブラブラとスナップ撮影を楽しんでみた。端末の動作スピードもまずまずで、テンポ良く撮影が可能だった。本機から撮影カットに「Leitz」ロゴと撮影情報を入れることが可能になったので、今回はこの機能をオンにしてシャッターを切ってみた。

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首都高の橋脚と川を撮ったが、重厚感ある色合いと精細感あふれる写りがいい感じだ
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LEITZ PHONE 3はスマホというよりはカメラに近い写りをしてくれる。1型という大きなセンサーとライカ監修の色調によるものだ
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欧州車のフロントメッキ部分が実に鮮明に撮れた。描写と色再現性も満足のいく写りである
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花見時のカット。太陽をフレームに入れてシャッターを切ったが、いやなゴーストやフレアの発生はないようだ
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新機能「絞り効果」で開放にして撮ったが、きれいに背景がボケてくれた
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パーキングに停めたクルマをややアンダー目の露出で。切り詰め気味の露出がいい感じになるようだ
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パスタを寄りで。美味しそうな色合いとシズル感をLEITZ PHONE 3は表現してくれた
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モノクロームもとても雰囲気があっていい。トーンの連続感と黒の締まりが気に入った
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近景から遠景まで整った写りだ。このカットは球形のゴーストが出現してしまっている
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大きなセンサーは階調の表現がいい。空のトーンがとても連続感があってムーディーである
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LEITZ PHONE 3のまとめ

LEITZ PHONE 3は1型という大きなセンサーとライカのレンズ、色調のコラボレーションが魅力的なスマートフォンに仕上がっていた。拡張されたLeitz Looksは使っていて楽しくて写りもよく、ライカユーザーなら「M」や「Q」、「SL」に加えて、このスマートフォンも手にしたくなるはずだろう。外装仕上げも美しく、愛機とともに持ち歩きたくなる端末だと言える。

三井公一|プロフィール
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆などで活躍中。様々な企業のイメージ撮影や、ポートレート撮影、公式インスタグラムの撮影などを多く手がける。スマートフォン撮影のパイオニアとしても活動中。
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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。