Time to High Resolution

江夏由洋(High Resolution担当)

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NABがいよいよ開幕しました。今年は技術的にも充実した内容です。僕がまず訪れたブースはやはりCanon。噂のC500とEOS 1D Cを一目見に行きました。とにかく「メイドインジャパン」の底力を感じるカメラがいよいよ登場した感じです。4Kというキーワードがこれからの映像表現が進む道であることは間違いないでしょう。今のCanonには相当の勢いがあるのと同時に、今まで培ってきた技術力が一気に実を結んだようにも思えます。

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特にCanonはスチルカメラの歴史に沿って、レンズとセンサーの技術力があります。昨年、C300の発表の場で、ある記者の「REDと比べて何が優れているのですか?」という質問に対して、Canonの担当者がズバリ言った「センサーとレンズはどこよりも誇れる技術があると思います」という答えは非常に印象的でした。まさに今回の発表は、そういった技術がカメラに込められた形になったと言えるでしょう。

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そしてもう一つ大きな発表がありました。それがBlackmagic Designが出したBlackmagic Cinema Cameraです。なんと30万円を切る価格で、2.5Kの非圧縮収録が可能なカメラをリリースすることになりました。コンバーターやインタフェースを作っていたメーカーがスイッチャ―を制作し、カラコレのソフトウエアまでも手掛け、ついにはなんとシネマカメラまで作るプロダクトカンパニーにまでになったことは誰もが驚いたことでしょう。

もちろん価格も驚愕ですが、そのカメラの性能がズバリ「現場に受ける」スペックを踏襲していることも注目です。EFマウント、3/4インチのセンサーサイズ、RAW記録、Thunderbolt規格といったキャッチ―な仕上がりになっています。まだ撮影した素材を検証していないため画質等は何ともいえませんが、13ストップという高いダイナミックレンジの見せる映像に期待したいところです。

CanonのカメラにしてもBlackmagicのカメラにしても共通したトレンドは、色はポストでいじるという点です。カメラに独自のコーデックを搭載していた時代から、後処理に大きな役割を残す方法が主流になりつつあります。これはパソコンのスペックがあがり、相応のNLEの進化が同時に発達したことが起因といえるでしょう。High Resolutionのワークフローはこういったトレンドに乗っているということが初日を終えて感じられたことです。明日は各社の4Kシアターの比較もしてみたいと思います。

スイッチャー侍の食指が動く時

小寺信良(ポスプロ関連担当)

さて会期初日となる本日、いくつか事前情報を掴んでいたブースで新製品を色々と見てきた。昨年低価格スイッチャーATEMシリーズをリリースして会場の話題を一気にさらったBlackmagicdesignは、今年Blackmagic Cinema Cameraを発表した。低価格な2.5Kセンサーカメラということで、これもしばらく業界をお騒がせさせることだろう。ただポストプロダクション担当としては、Teranex2D、Teranex3D Prosessorに注目したい。アップコン、ダウンコン、ノイズリダクション、アスペクト比変換などの機能を持ったコンバータだ。

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カラフルなボタンが光るTeranex2D

これは昨年12月に買収したTeranex社の製品を改良したもので、2Dがシングルプロセッサ、3Dがデュアルプロセッサモデルである。従来は9万ドルしていた製品が、改良されて4000ドルと、価格が1/20ぐらいになっている。Thunderboltによるキャプチャー機能もあり、ポストプロダクションや放送局で重宝するはずだ。

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1808/60P対応のマルチフォーマットスイッチャー、V-800HD

国内メーカーとしては、ローランドの新製品にも注目しておきたい。1080/60Pに対応した8入力のコンパクトスイッチャーV-800HDは、同社得意のマルチフォーマット対応製品。入力も様々なフォーマットが使えるが、出力にもスケーラーがあり、様々なサイズやフォーマットへの出力ができる。フレームレートは変換できないが、フォーマットコンバータとスイッチャーが合体したような製品だ。

内部処理も新たに4:4:4にアップグレードし、キーヤーのアーキテクチャも新しくなっている。価格は日本円で100万円前後で、今年5月の発売を予定している。

変わり続ける時代にNABとガジェット達

猪蔵(モンドガジェット関連担当)

NABが始まった。今年のコンセプトは、The Great Contents Shift。地殻変動が起こるのか?元々放送機器展だったNABの今年のバナーデザインのエレメントを見ると、FaceBook、RSS、YouTube、Twitter、ゲーム端末などこれまでのNABと縁遠いものだった分野のエレメントが彩られている。実際に会場の情報は、スマートフォンでアプリでカバーされ、即日オフィシャルのサイトに動画ダイジェストがラインナップする。

NAB自身も新しい時代に合わせ自らの変容が見られる。REDで始まったRAWそしてCanonのLogこれらは、時代の潮流である。ネットによるこれらの利点は、礼賛するべきだが、でも間違えてはいけない。本質は、ユーザーの映像消費スタイルが変化しつつあるところにある。それは映像製作、デリバリー、ユーザーの消費に渡る全プロセスの地殻変動が起こっているという事だ。各自の眼と身体で感じる事以外に本質を見分ける方法はない。我々の伝える情報がユーザーへ、少しでも一助になればと思う。

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といいつつも、他のFab5!メンバーが語らないガジェットを一つ紹介したい。それが、SquareBounce。傘がレフ板になっていると思ったいただければ分かりやすいだろうか?これ経験のある方ならお分かりだろう。非常に扱いやすいのだ。不便な部分をちょっとしたアイデアで改善してくれるガジェット群が会場には埋もれている。明日もその破片を拾い集めるために跋扈する次第。

NAB展示会初日は黒魔術!

岡英史(ファイルベース関連担当)

仕事が朝方まで掛かってしまい昨年同様に睡眠不足のまま会場に足を運ぶ…。

(編集部註:寝落ちなしで朝集合です!)

BlackMagic Design
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毎年朝一に目が覚めるような驚く発表が在るBMD。今回も例に漏れずCinemaCameraを出してきた。全く予想もしなかった分野の機材をだしてくる辺りが如何にも黒魔術って感じで面白い。そのスペックもSSDを記録媒体とし2.5Kの解像度をもつセンサーを心臓部に持ち、フォーマットはAppleProResを含めた3種類、何とRAWフォーマットまで在る。そのデザインはシンプルすぎてこれがシネカメラ?と疑問を持ちたい位だがRIGに組んだその形はまさしくそれなりのシネカメラに見えてしまうから不思議だ。SONY NEX-FSシリーズ同様このカメラはRIGを組んで運用するのが正しいと思う。

RIG

今年は昨年に比べてもRIGの出展が多い。と言うか他のガジェットがメインでもブースの片隅に確実にオリジナルRIGが置いてある印象を受ける。その中で目に付いたのはこの2機種。

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パイプRIG全盛にあって一体成形型のRIGは機能的にも良くできている。日本で情報は得ていたが実物は更に良い。最終日までにもう一度ちゃんと見ておきたい場所だ。もう一つは何処かで見たことが在るパイプRIG。

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ここの一番の特徴は価格。最近は中華製のあり得ない安価の物がそれに匹敵するようなプライス。聞けば学生やアマチュアを応援すべく立ち上げたブランドだそう。まだ日本に代理店は無いので、ココはねらい目かも?

RCヘリコプター
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今年驚いた物の一つに空撮が出来るRCヘリがある。しかしヘリと言っても本物のスケールを大事にした物ではなくあくまでも安定性重視。そのためにプロペラが最低4発、多ければ8発付いている。ヘリは少し前まで安定させて飛ばすのが最も難しい物だったが、近年の低価格ジャイロセンサーのお陰でこの様に安価で性能の良い物が出来て居る。因みに5D位なら全く問題無く積載出来る物が、一番多かった。

さて、明日も撮影メインだがEVFをメインに探してみたい。

デジタルシネマ系ソリューションに動きあり!

石川幸宏(デジタルシネマ&DSLR関連担当)

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2012 NAB SHOW1日目。デジタルシネマ系ソリューションを中心に視察。朝8時からは毎年恒例となっているAJAのプレスファレンスで、KiPro シリーズがさらに強化。KiProの機能を1Uラックに収めた、KiPro rack/アップダウンクロスコンバーターと、ついに4K収録できるKiPro quadを発表した。

サイズはKiPro miniを少し太めにしたやはりコンパクトサイズ。これはCanon EOS C500とともに開発を進めており、プロモーションビデオにはCanonの開発チームの面々も登場。今秋のEOS C500発売と同時に市場に投入される予定だ。プレビューできる液晶モニターもついて現場でも非常に使い心地がよくなりそうだ。

さて、NABの開場と同時にサウスホールから会場に入ると、そこにはすでに黒山の人だかりが!そこにはブラックマジックデザインのブースが大きく構えており、なんと今度はカメラを発表した。

初日すでに最大の話題となってている「Blackmagic Cinema Camera」は、センサーサイズが2.5K、13ストップダイナミックレンジ、CinemaDNG RAW、ProRes、DNxHDで内蔵SSDで記録可能。さらにDaVinci ResolveとUltra Scorpeを同梱しており、レンズマウントもキヤノンEFとツァイスZFと互換という優れもの。

一見、小型のTV局用スタジオカメラのような形状は、今後のIPTVの隆盛の中で、どう市場を動かすのか?気になるところ。そしては製品価格は魅力の$2,995!

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PRONEWSの現地特派員5名+αが、各分野を分担、担当し、テキスト、映像、画像を駆使してレポート。今年のNAB showはこの5人+αが盛り上げます!会期中の更新をお楽しみに!

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