AJAブースレポート

コンバーターやキャプチャーIOのメーカーとして業界に定着したAJA Video Systemsだが、最近ではレコーダーのメーカーとしてもその名が確立している。すでに発売となったKi Pro MiniはこのほどVer4.0ファームウェアをリリースし、Avid DNxHDビデオコーデックをサポートした。編集コーデックで記録をするという新境地を開いたAJAのレコーダーだが、Apple ProRes422だけでなく、放送業界でデファクトスタンダードといえるAvid DNxHDコーデックにも対応した意義は大きい。

nab2012ajaDSC_0853.jpg

KiPro QuadはKi Pro Quadは、4K (4096×2160), Quad HD (3840×2160), 2K (2048×1080), HD (1920×1080)に対応

またKi Proをデッキ的な使い方をしたいという要望に答え1UラックマウントタイプのKi Pro Rackや4K/2Kレコーディングに対応したKi Pro Quadが出展された。Ki Pro Quadは、単に4k2kのデーターを記録する単純なレコーダーと異なり、ベイヤー配列の撮像素子からのRAWデーターをRGBに変換する現像(デベイヤー)処理と2KあるいはHDモニタリング用に変換された信号をSDIやHDMI同時出力することが可能となっている。

R0013259.jpg

EOS C500とKi Pro Quadはキヤノンとともにパフォーマンスの最適化を図ったという。AJAのブースにはC500とともに展示されていた

さらにThunderbolt経由でMacなどへデータを出力することができる。このあたりお家芸ともいえるAJAのコンバーター技術が生かされているようだ。本体のリムーバブルSSDメディアにはHD、2K、4KのProResファイルで収録され、FCPなどでそのまま編集可能だ。ディベイヤーの処理は各社で特徴があり、この処理がそのメーカーの画質を特徴付ける一つの要素になっている。

Ki Pro Quadはキヤノンの協力を得てそうした処理技術を開発しており、そのためもありキヤノンブースのは早くもKi Pro QuadとC500がシステムアップされ出展されていた。

Thunderbolt関連の製品としてT-TAPも発表された。これは、ThunderboltからSD/HD/2KをSDIおよび HDMI出力するためのコンバーターで、バスパワー駆動ができ、8chのエンベデッドオーディオにも対応している。ビデオ信号は10bit非圧縮4:2:2でHDMIは3Dにも対応している。

R0013269.jpg

HDモニタリング専用のSDIとHDMI出力のほか、SDIによる4K RAW受け取り、Thunderbolt出力などが可能

nab2012ajaDSC_0851.jpg

Ki Pro Rackは2つのメディアベイを備えており、イーサネットによるリモート設定や操作、RS-422マシンコントロール、Genlockなどに対応

nab2012ajaR0013253.jpg

Thunderbolt接続で10bitSD、HD、2K対応のSDI/HDMI出力が可能なT-TAP

R0013264.jpg

AJA Thunderbolt SSDリーダーにより、データ転送を高速に行うことができる