Nikonブースレポート
HD動画撮影ができる一眼レフカメラとしていち早くD90を市場に投入し、その後キヤノンのEOSシリーズによりデジタル一眼によるデジタルシネマという新境地が築かれ現在にいたっているのは周知の事実だろう。そのニコンがD4やD800の発売によりNABへ出展となれば当然動画分野に本格参入という期待が高まる。
特にフルサイズの撮像素子を採用し、36×24のフルサイズ対応(FX)のレンズから24×16のDXレンズにも対応していることから、様々なアプリケーションが考えられる。本来ならば、そうしたアプリケーションをアピールするため、サードパーティ製のレコーダーとの組み合わせなどスタジオステージを設けて沢山のカメラを出展したり、大画面のディスプレーで画質を見せたりするものだが、そうした気配は殆ど無く、数台のカメラが自由に触れるようになっていたものの動画撮影へのアピールは非常に消極的だった。
レンズもFマウントのラインナップが相当数あるのだが、それらはガラスのショーケースに収められた状態で自由に付け替えるというようにはなっていない。ニコンはENGカメラ用のレンズやハイビジョン初期の時代にも幾つかのレンズをNABに出展していたのだが、その時代のニコンとはだいぶ様子が異なっているようだ。
過去に動画の事業から完全撤退してしまった以上再度進出するというのは、企業的に難しい決断でもあり慎重に進めたいということのようである。今回のNAB出展も製品をアピールするというより、ユーザーの声を聞くいわゆるリサーチとしての目的が強いような印象だ。
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シネスタイルのD800。LCDモニターやマットボックス、フォローフォーカスなどは装備されているがレコーダーはついていなかった
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ショーケース上に置かれていたD4。スタッフに話せばケース内のレンズを付け替え可能
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レンズのラインナップは相当なものだが今回の出展ではあまり生かさせていない印象だ
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