粛々と4Kブロードキャストが進行

小寺信良

会期3日目となる本日は、朋栄とGrass Valleyを取材した。

4K放送は今のところスポーツやコンサートなどのLiveをやろうという動きになっているが、放送として1日やるには当然それだけでは足りない。編集ものやアップコンなど、ポストプロダクション作業も当然発生する。

朋栄では、HD機としても使える4K機材を数多く出展していた。以前から4Kのルータは製品化されていたが、今回はそれに加えてFS/カラーコレクタの「FA-1010」、4Kアップコンバータの「URC-4000」、4K送出サーバの「MBP-500VS」、4Kダウンコンバータの「MV-42HSA」、4K切り出し機の「ZE-ONE」などの周辺機器を一度に発表した。

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同社製品で4K放送の全域をカバー

これらの製品はシンプルなワークフローには入ってこないが、ちょっとイレギュラーな素材を使う場合に必須な装置で、日常的な運用としては欠かせないものばかりだ。

またスイッチャーの「HVS-XT110」は、1.5M/E、2Key、2DSKの12入力だが、SDI4本をまとめると4K 3入力のスイッチャーとなる。もちろん3入力では少なすぎるわけだが、同社の4K対応ルーティングスイッチャーのリモート機能もあるため、ルーターの切り換え器としても使える。

さてBeldenの傘下となったGrass Valleyだが、先に傘下となっていたMirandaと一緒になり、紫のGrass Valleyとして再始動した。ブースではGrass Valley製品とMiranda製品が混在する展示となっており、しばらくは製品ラインナップの一本化などに時間がかかりそうだ。

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新開発の4Kカメラ

その中でも新技術として、4Kのカメラヘッドが展示されていた。B4マウントが使え、3CMOS型の4Kカメラで、出力は田の字型のBNC4本。これが最終仕様ではなく、この技術を使ってショルダー型などのカメラに展開していくという。

撮影周辺機器の動向

石川幸宏

セントラルホールの中程から奥にかけては、毎年撮影周辺機器関連の大小メーカーが軒を連ねる。昨年はヘリコプター関係とそのテクノロジーがその存在を大きくしていたが、昨年登場して話題をさらった3軸ジンバルによるカメラスタビライズシステムが今年は多数登場。20を超えるベンチャーメーカーが大小のシステムを展示している。本家本元のFreefly Systems社も小型の「MoVI M5」を登場させた。

ヘリコプター関連では、白地に赤のラインの筐体がトレードマークのPhantomを要するDJI社が昨年の約2倍の広さのブースを構えて登場。ここでも3軸スタビライズシステムの「DJI Ronin」を展示公開。今年はこれらに加えて目立ったのは新しく安価なワイヤレス・レンズ・コントロールシステムだ。

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中国のリグメーカーTILTAの「TILTAMAX WLC-T02」は、アイリス、ズーム、フォーカスを視覚的にコントロールできる3.7インチの液晶操作画面が装備され、手に馴染みやすい木製のダイヤルやグリップ部など細かい設計が行き届いた製品だ。

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三脚メーカーからもいくつか新製品が登場しているが、中でもパン、ティルト、スライドの3用途を満たすLibec(平和精機工業)の新しい小型カメラ用三脚システム「ALLEX」は、三脚メーカー初のスライダー付き三脚システムとして好評だ。ヘッド部も非常に軽量でありながら、安定した動作と80cmのスライダー稼働部へのグリス採用など、三脚メーカーならではの技術が注入されている製品で、三脚部とヘッド、そしてスライダーが組合わさった「S-KIT」が、日本円で105,000円という破格の価格帯も話題だ。


満足な展示!それを見るには時間が無い…!

岡英史

残り1日となったNABの会期。今年は全体的に時間が早い方にシフトしているので最終日は14時に全て終了となり、毎年の感覚だと12時には小さいブースは撤収をするので、しっかり見るのは今日しかないと言うことになる。とは言え昨日個人的にも諸々あり、体調は今回の三銃士全員が絶不調(笑)。その中でどうなるか?先ずは一番気になりつつも一番見かけた割にはチラ見の物を集めてみた。

■気になる三脚達

今回気になった三脚はENGにあるようなツインチューブタイプではなく、シングルチューブ。スチルの世界でよく使用されるタイプとにた感じの物。ENGで使うには脚の開き方が一発で、同じ角度で立てられないので余り使用されない。しかしオープンでのロケでは不整地でも水平を保つのが楽なので使用されるタイプである。筆者もマンフロットのMPRO 536を持っている。ハイアングルからローアングルまで色々使えて便利この上ない。

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カメラマン仲間でも同じ三脚を持ってる方が多い。特に外ロケでの割合が多いカメラマンほど持っている。この脚はカーボンで軽量な為に使いやすいのだが、やはり対衝撃には気をつけなければならない。川や海に立てるのもカーボンなだけに若干気を使う。そんな中でマンフロットブースで見つけたのは同型のアルミ製三脚。カーボンほど軽くは無いが十分許せる範囲、なんと言っても多少無茶な扱い方をしても心配がない位の強度は持っている。そして同じ場所にカーボンではあるが、ベビー三脚とハイアットもラインナップされている。

この様にシングルチューブ+ドライカーボン脚と言うのが今年は各所で見られる。その大半が写真用三脚メーカーだったりする。カメラ自体が小型軽量化されている為、強度的にも問題は無いだろう。


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同じような三脚で一つ気になったメーカーがある。Really Right Stuffというメーカーの物だが、ラインナップの一つにカーボン5段脚、非常に高さの出る物があった。写真に写り込んで居るのは比較的背が大きめ、筆者が手を思い切り伸ばしても届かないほど。しかし5段脚なので収納は思った以上にコンパクトになる(全長約65cm前後)。またこの会社はビデオ雲台も出展しており、その加工精度とドラッグのフィーリングはかなり良い感じだった。

他には国産三脚でお馴染みのLibec。今年は新製品のスライダー+三脚のSETが売りのALLEXシリーズ。既にFB等でも書かれているがそのフィーリングは文句なし。ヘッド部分は3kg前後のカメラに合わせた為にカウンターバランスの調整はなく、その代わり非常に軽量。脚部分も前からあるタイプと同型に見えるが各パーツ強度・精度を上げてワンランク上の脚と同強度になっている。詳しくは動画を参考にして貰えばと思う。


■NABと言えば…車の展示
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カメラと同じく様々な車の展示も必見(筆者だけか?)。とにかく素晴らしい車両が会場のあちこちにある。特にGoProブースには毎年超弩級の車両が飾ってあるが、今年はなんとパガーニ・ウアイラが展示されていた(もうこの辺は驚く人だけ驚いて下さい 笑)。隣のフェラーリLMも、もちろん凄い車だがフェラーリが霞むほどパガーニのインパクトは凄まじい。現車は初めて見たのは言うまでもない。他にもバギーをベースにした特機車両やBAJA参戦のスーパートラック等々、車好きにはたまらない展示の数々。

■総括

さて最後は完全に趣味の世界になってしまったが、振り返ると今年のNABは非常にエキサイティングだった。帝国の逆襲に同盟軍が秘密兵器をひっさげて応戦したり、ゲリラ戦法に出たりと毎日が面白かった。昨年がやや平凡?な内容だっただけにこの差はでかい。残り1日(半日)はラストスパート、もう一度場内を駆け廻って見たい。


Day02 [NAB2014攻略記] 完結編