txt:稲田出 構成:編集部
前回に続いて会場の各社ブースを紹介して行こう。
日本デジタル・プロセシング・システムズ
日本デジタル・プロセシング・システムズは、エンコーダーやアセットマネジメント、IP伝送ソリューションなど様々な海外製品を扱っているが、After NAB ShowではWowza Media Systemsのストリーミング配信サーバーを採用したバーチャルリアリティシステムや、追っかけ編集に対応したMetus Technologyのインジェストソリューションを中心に出展した。
Streaming EngineおよびWowza Streaming Cloudを採用したシステムは、360°ストリーミングビデオやVRに対応しており、4K対応クオリティでの配信が可能。WebブラウザーベースのGUIで設定が可能で、PCやタブレット、スマホなど様々なプラットホームに最適な配信をサポートしている。Metus INGESTは、Premiere Pro CC や EDIUSと連携した追っかけ編集機能を備えたインジェストソリューションで、Apple ProRes 4444やDNxHR、XAVCコーデックなど対応に対応可能。
テクノハウス
テクノハウスはカラーグレーディングとフィニッシングシステムFilmLightの新製品FilmLight FLIPやConvergent DesignのレコーダーODYSSEY7Q+などを出展した。FilmLightはカラーグレーディングとフィニッシングシステムとして、オンセットでの撮影時に、ルックアップテーブルやグレード情報、フィルター効果をカメラのライブ出力に適用するFLIP、ルックを作り上げ、セットやロケーションで撮影したものをビジュアル化する手助けをするグレーディングツールDaylight、ポストプロダクションサーバーFLUX Storeと管理ツールFLUX Manageで構成されたFLUX、Northlightフィルムスキャナーなどがあるが、HDRのグレーディング機能をさらに強化したVer5.0およびPrelightが4月のNABで発表されており、今回はこうした新しいバージョンが披露された。
FilmLight PrelightはルックやLUTのためのカラーコレクションとカラーマネージメント機能を搭載したMac OS Xアプリケーションで計測機器技術研究所が扱っているコントロールサーフェースTangent Waveとともにデモしていた。
ConvergentDesignはモニター一体型のレコーダーとして幾つかのラインナップがあるが、今回はHDから4K信号まで記録することができるフィールドレコーディングモニターOdyssey7Q+および4chのHD-SDI信号同時収録を可能にしたapolloが出展された。
ConvergentDesignのOdyssey7Q+。ファームウェアがV2016.01にアップデートされ、Odyssey7Q/7Q+、apolloともに3G-SDI×4本クアッドリンク接続による4K60p入力が可能になった。これにより、ソニーF55、パナソニックVARICAM 35の出力をProRes(HQ、422、LT)で収録可能となった。また、6G-SDIの入力により、Blackmagic Design URSA、URSA MiniやMicro Studio Camera 4Kなどのカメラがサポートされている。
エーディテクノ
エーディテクノは各種HDMIディストリビューターやHDMIエクステンダー、LCDフィールドモニターなどのほか、NAB2016で発表されたDIGITAL FORECAST社の新製品DIGITAL FORECAST X_TSなどを出展していた。
DIGITAL FORECAST X_TS。7型のLCDタッチパネルモニターを搭載したアップ/ダウン/クロス対応マルチコンバーター。
エーディテクノHDMI8分配HUS-0108。4K UHD 60p(YUV 4:2:2 8bit)HDMI2.0/HDCP2.2対応業務用薄型HDMI8分配器で、HUS-0108専用1UラックマウントHUS-0108Rによりラックマウント可能。
IDX
IDXは新VマウントバッテリーDUO-Cシリーズ2モデルのほか、2ch同時充電器VL-2000S、D-TapアドバンスもしくはX-Tapコネクターから充電できるポケッタブル充電器D-TAPやX-TAP、TVLogic社の小型モニターLVM-075AおよびLVM-070C、Wi-Fi伝送システムユニットCW-F25などを出展した。NABではソニーのNP-Fタイプバッテリーを使用するカメラやライトなどのアクセサリーで使用できるSL-F70やSL-F50も出展されていたが、国内での発売はしばらく時間がかかるということであった。
7.2V47WhリチウムイオンバッテリーIDX SL-VBD64。パナソニックのビデオカメラに対応したバッテリーで、USB給電のほかX-Tapを装備しており、カメラ以外のアクセサリーに電源供給が可能。対応カメラはパナソニックのAJ-PX270/285/298、HC-X1000、AG-DVX200など。
IDX SL-VBD96は70Whタイプで、その他の機能などはSL-VBD64と同様。
VマウントタイプバッテリーDUO-C190。ライトなどに電源供給できるD-Tapが2基装備されているほか、USB給電用の端子も装備されている。
エヌ・イー・ピー
エヌ・イー・ピーはLEDライトや各種バッテリー、バッグなど様々な製品を出展した。今回新製品として出展されたのは、VマウントリチウムイオンバッテリーBL-BPNEシリーズのBL-BP95NE-S。現行商品のBL-BP130NE-SやBL-BP160NE-S、BL-BP190NE-S、BL-BP230NE-S、BL-BP95NE-Sのラインナップに新たに加わった。
VマウントバッテリーBL-BPHEシリーズはBL-BP95NE-Sのラインナップに新たに加わったことで、5種類となった。写真の右下は運搬に便利なように2つに分離できるBL-V-BP198。
BL-BP95NE-Sには、USB給電コネクターが装備されており、USBコネクターにより充電または給電ができる様々なアクセサリーを同時に使用可能だ。防塵のためのシャッターが組み込まれている。
BL-BP95NE-SにはDタップコネクターも装備されており、ライトなどに電源供給できるほか、充電も可能となっている。
ジャパンマテリアル
ジャパンマテリアルは韓国VRi社のマルチフォーマットディスクレコーダーVRi D-Streamやリアルタイム3DキャラクタージェネレーターVRi KarismaCG、リアルタイム2DキャラクタージェネレーターVRi SmartCGのほか、先のNABで発表された新製品としてカナダMatrox社のH.264エンコーダーMatrox Monarch LCSなどを出展した。
Matrox Monarch LCSエンコーダーは高解像度HDライブ映像とPCのプレゼンテーション画面を同時に取り込み、PinPやサイドバイサイドなどに対応しており、H.264で配信・録画が可能。
Matrox Monarch LCSはWebブラウザーで設定を行うことが可能。
マルチフォーマットディスクレコーダーVRi D-Stream。RS-422での9ピンコントロールが可能となっており、既存VTR用の編集コントローラーなどを使用でき、XDCAMやProresをはじめ様々なファイルコーデックに対応しているので、VTRからファイルベースへの切替えを簡単に実行できる。
エムアンドアイネットワーク
エムアンドアイネットワークは新製品として、ノートPCと組み合わせて使用できるタイトルクリエイターTC-200+TELOP BOXやHDモニターを一体化したオールインワンHDレコーダーHRS-30を参考出品した。
タイトルクリエイターTC-200+TELOP BOX。NIXUS(北海道日興通信株式会社)が開発したTC-200用ソフトウェアTELOP BOXとData VideoのTC-200を組み合わせたテロップシステム。HD-SDIでのFILL/KEY出力に対応しており、作画/スケジュール/送出が可能。
Data VideoタイトルTC-200。PCのHDMIポートから出た信号はTC-200に入力された外部の同期信号と同期して、SDIのキーソースとフィルソースを送り出すことが可能。
モニター一体型HD/SD-SDIディスクレコーダーHRS-30。10型1280×800のLCDモニターとHDレコーダーが一体になっており、HDD/SSDリムーバブルカートリッジを使用可能なオールインワンHDレコーダー。記録フォーマットはMXF/OP1AとQuicktime MOVに対応しており、4:2:2MPEG 2フォーマットで収録可能。本体にVマウントバッテリーが装着可能。
ステータス表示LCDやトランスポート系スイッチなどが装備されており、リプレイやクリップにマークを打つことも可能。
ユニアデックス
ユニアデックスはIPネットワーク上でセキュアかつ高速なファイル転送を実現できるIBM Asperaや4K/8K高速伝送を実現するCisco UCSサーバー&Nexusスイッチなどを出展した。
IBM Aspera
IBM Asperaは、40Gbitネットワークを利用することで、4K8Kなどの大容量データを高速伝送するためのシステムでFTPで3時間以上かかっていたファイル転送時間を7分で完了することも可能。
ATOMOS
ATOMOSはNABで発表されたSHOGUN INFERNOを参考出品したほか、新製品のNINJA FLAME、最新ファームウェア(ベータ版)によるSHOGUN、NINJA ASSASSIN、SAMURAI/NINJA BLADE、NINJA2の新機能などを披露した。
4K60p収録に対応したSHOGUN INFERNOはSHOGUNシリーズ最上位機種となっており、現行品のSHOGUNの後継機となっている。
SHOGUN INFERNOは3G SDIx4によるクワッドSDI入力に対応しており、クワッドSDIから12G-SDI変換出力にも対応。
日本コントロールシステム
日本コントロールシステムは8Kフルスペックである120Hz/RGB444に対応した波形モニターDAB8000miniおよびデータレコーダーDRB8000を出展した。8K対応の測定器はほとんど市場になく貴重な存在といえよう。
DAB8000miniシリーズは8K(120Hz/RGB444)対応の波形モニターで、NHKとの共同開発により制作されている。波形モニター機能に加え、プロトコルアナライザー、パターンジェネレーター、オーディオアナライザーなどの機能も備えている。
実行レート200Gbpsで非圧縮の8K(120Hz/RGB444)映像データーを最大30分録画可能なハイエンドデータレコーダーDRB8000。
リーダー電子
リーダー電子は新製品のシンクジェネレータLT4610のほか、HDRのゾーン表示やスケール表示、12G-SDIのアイパターン表示、IP(NMI)伝送信号の観測などに対応した4K波形モニターLV5490のほか、4CHラスタライザLV7390などを出展した。
4K波形モニターLV5490にIP(NMI)の映像&音声データ入力オプションLV5490SER08を装着しHDRのゾーン表示やスケール表示などが可能。
4K波形モニターLV5490に12G-SDI入力オプションLV5490SER06およびLV5490SER09オプションを装着。12GまでのSDI信号とアイパターンやジッタ表示を可能としている。
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