txt/movie:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部
夏と共にやってくる九州放送機器展
毎年、夏本番と共に開催されるのが、九州放送機器展(QBEE)だ。規模的に小さいが、発見も多く穴場でもある。それはNAB Show等での参考出品だったものが稼動実機になっていたり、IBCやInterBEEに向けたサンプルがいち早く出ている事が多いことも挙げられる。
さらに土地柄なのか、出展者(メーカー)側も比較的のんびりで、来場者との距離感が意外にも心地よい。カメラ担当?として猿田氏と久々にタッグを組みMonkeyHillsでお送りしたい。初日は快晴で多くの来場者で会場は賑わった。朝から駆けずり回って14ブースのレポートをいつもの会場練り歩き方式で取材を行ったので見ていただければ幸いだ。
パナソニック
九州初お披露目となったAG-UXシリーズがブース前面の一等地にアクリルボックスの中に鎮座しているのが印象的だ。パナソニックのハンドヘルド4Kと言えばDVX200が真っ先に頭に浮かぶが、そのマイクロフォーサーズセンサーと筐体の大きさも含めて好き嫌いが分かれるところだろう。
では汎用的なデジ4Kはどうするのか?その回答として用意したのがAG-UXシリーズ。90と180の2機種があるが180はDVX200の機能簡易版としての4Kカメラ、90はHDデジの上位機種+4Kも撮れます的な考えで選ぶのが正解だ。VARICAM LTは価格も考えると、業務レンジでも扱えるカメラ。パナソニックのカメラたちは、中々悩ましい位置付になる。もちろん良い意味であれもこれもという気持ちになるのだ。
銀一
NABで発表されたThink TANK photoのビデオバックの展示があった。関西放送機器展ではまだ日本に無かったシネマカメラ系のローリーバックも今回は展示あり。もちろんステディカムの展示は最高峰のM1モデルを筆頭に4種類の体験デモ機を展示していた。
RODE
また、RODE社の全製品フルラインナップの展示は何時もながら見ていて気持ち良い。どんな製品なのか、実際に手に取る事ができるのは、この様な展示会では大きなアドバンテージだと思う。今回個人的に期待していたマイクに直付けのワイヤレス送信機は、従来の受信機で受け入れられる。2.4GHz帯を使用しているので世界中で使用可能だ。もう一つはiPhoneのライトニングコネクターに直挿しで使用可能なマイクケーブル。これが結構使い方を考えると重宝しそうだ。
マンフロット
ビデオカメラバックのCCシリーズがリニューアル。従来モデルより高さが増え、最近の高さのあるデジタルシネマ系のカメラに対応した。特に一番小さなモデルだとEOS C100 Mark IIのスモールパッケージにはまさにピタリとはまる。展示はもう一つ上のバックにEOS C300 Mark IIが入っていたが此方もジャストサイズで収納も良いはず。また樹脂ローラーが特徴のスライダー2機種も前面に展示されている。
平和精機工業
今回新製品の展示はなかったが、同社のRSシリーズの油圧ヘッドを他社製品の脚に取り付ける時に、若干の工夫が必要な場合のTIPSを紹介。しっかりその辺も考えられて作られているのは流石である。またInterBEEに向けて新製品の開発も進められている様なので、秋頃のアナウンスに期待したいところだ。
日本ビデオシステム(PROTECH)
業務系ユーザーには、痒い所に手が届く製品を数多く提供しているPROTECHブランドを展開する日本ビデオシステム。今回は残念ながら新製品の展示は無かったが、Vマウントバッテリーから色々な電圧を同時に出力してくれる通称「わけわけ君」WAKE-1は一台機材車に積んであるとロケが幸せになるかもしれない。また社長自らのプレゼンでは、この秋に大きな新製品が数点出る事を明言。InterBEEを楽しみにしたい。
txt/movie:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部