開催2日目も熱気ある会場から

初日に比べいつもなら会場の込み具合が平均化するはずが今年は一向に変わらずさらに込み具合が増してきた印象だ。会場の熱気にあてられたのだろうかそとの気温も早朝から汗ばむほどだ。

ここ数年HDRやIPが話題となっているが、4K8Kは単にレゾリューションだけでなくダイナミックレンジや色域も従来と変わるし、画像データの伝送容量も大きくなるのでそうしたことへの対応やそれにつれて新たな規格が進行しているためともいえよう。

4K8Kでは今までの3G-SDIのほか、6G-SDIや12G-SDIのほかファイバーなどがあるほか、エンベデッドオーディオへの対応も必要になる。すでにアストロデザインや朋栄といった国内メーカーがHDR対応のコンバーターを発売しているが、AJAやBlackmagic Designなども新製品を発表している。異なるインターフェース間の変換のほか、レゾリューションやHDR対応などこうしたコンバーターは今後も様々な種類も製品が発売されるだろう。

そうした中でアストロデザインは新たな試みを始めている。アップコンバートが必要な場合走査線などをピクセル単位で補完する必要があり、その補完のアルゴリズムがアップコンバート時の画質を左右する重要な要素になっていたが、アストロデザインではディープラーニングの手法を応用したものを参考出展していた。

アストロデザインはディープラーニングの手法を応用した2Kから4Kへのアップコンバートを披露した。変換前と理想的な変換後の映像を学習させることで高品質な変換が可能となる。演算速度の問題もあり現状はシチュエーションごとに1000枚ほどの静止画を使って学習させている

GPUを並列にした画像演算専用のコンピュータシステム。ディープラーニングでのアップコンバートではこうしたシステムを使ってもリアルタイムの動画処理は難しい

朋栄FA-9600。アップ/ダウン/クロスなどの各種変換に対応したコンバーターで色域やダイナミックレンジに対応した新開発のカラープロセス回路を搭載している

NitsレベルHDRモニタリングソリューションAJA HDR Image Analyzer。Colorfront製のHDR分析ツールを組み合わせることで、PQ(Perceptual Quantizer)、ハイブリッドログガンマ(HLG)、Rec.2020を含むHDRフォーマットの監視と分析が可能

Blackmagic DesignHDMI対応のコンバーターMini Converter UpDownCross HD

DEGITAL FORCASTのコンバーターBrideg UHDシリーズ。SDI、HDMIのほか光ファイバー対応など各種ラインナッされている

伝送路のIP化は必須とはいえ現行のHDシステムとの整合性や撮影現場での利便性ではSDIやHDMIの方が有利だ。現在はこの辺りが複雑化の原因となっている部分といえるだろう。実際IPといってもTICOやAIMS、IP Live Allianceあたりが有力ではあるもののまだ1つの方向にまとまっていない。スイッチャーはカメラ以外にも様々な入力があり、各社ともに様々な入力や出力に対応しているがIPに関してはグラスバレー系のAIMS派とソニー系のIP Live派に分かれているのが現状だ。

ソニーのスイッチャーXシリーズ。本体のIOボードにはSDIやIPなどのオプションが用意されている

グラスバレーのIP対応スイッチングシステムGV K-frame X Kayenne

パナソニックのIPはAIMS派だが、現状スイッチャーは12G-SDIをメインにしている

朋栄のSDI、IPハイブリッドシステム。現状ではSDIやIPの混在となり複雑化は避けられないようである


Day01 [NAB2018デイリーレポート] Day03(近日公開)▶