ラージフォーマットセンサー対応プライムレンズや4K対応高倍率放送用レンズの展示に注目

REDのMONSTROセンサー搭載カメラやソニーのVENICE、ARRIのALEXA LFなど、ラージフォーマットカメラシステムの登場によって、カールツァイスやARRIなどからラージフォーマットセンサー対応プライムレンズの発売が相次いでいる。

放送用レンズは、2018年12月から始まる新4K/8K衛星放送を前にして、4K対応の高倍率ズームレンズの発表が盛んだ。Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの登場によってマイクロフォーサーズ対応のレンズに注目が集まっている。今年のInterBEEでも、多数メーカーからレンズの新製品が展示されるので、各社ブースをじっくりチェックしてほしい。

01 シグマ[#8215]

写真は左から28mm T1.5 FF、40mm T1.5 FF、105mm T1.5 FF

SIGMA CINE LENS全ラインアップに加えSGVシリーズレンズをはじめとした、スチル用レンズを展示。各社最新デジタルシネマカメラとSIGMA CINE LENSシリーズの組み合わせによる描写を試せるモデル撮影デモンストレーションを行なう。

中でもIBC 2018の会期に合わせて発表された3本のシネマ用交換レンズの新製品「28mm T1.5 FF」「40mm T1.5 FF」「105mm T1.5 FF」の実機展示は注目だ。40mm T1.5 FFはシネマレンズとして要求される画角と性能を前提として開発がスタートした初のレンズで、スチル用交換レンズとしても発売。写真用としては馴染みのない焦点距離であり、楽しみなレンズだ。

02 ナックイメージテクノロジー[#6404]

写真はマルチフォーマットに対応した高倍率ズームレンズ「Optimo Ultra 12x」

取り扱いブランドのAngénieuxのラインナップを展示するだろう。9月のIBC 2018や10月のBroadcast India 2018では、Optimo Ultra 12x、Optimo Anamorphic 42-420 A2S、Type EZシリーズを中心に展示。InterBEEでもこのあたりの展示に期待だ。

Optimo Anamorphic 42-420 A2Sは今年のNAB 2018で発表した新製品で、ズーム範囲全域でT4.5を実現し、IROテクノロジーにも対応する。Optimo Ultra 12xは、IBC 2017で発表された高倍率のマルチフォーマットデザインズームレンズで、Cinec Award 2018ミュンヘンのオプティクス部門でアワードを受賞している。

03 カールツァイス[#6403]

写真はラージフォーマット対応のSupreme Prime「35mm/T1.5」

今年5月に発表したシネプライムレンズシリーズの「Supreme Prime」を展示するだろう。15mmから200mmをカバーする全13本で構成されるのプライムレンズ。イメージサークルは46.2mmを確保し、35mmフルサイズセンサー以上のセンサーサイズを持つカメラにも対応。2018年年末に100mm T1.5、2019年3月に65mm T1.5と続く予定。

9月のIBCでは、CP.3 Compact Primes、CZ.2 Compact Zooms、LWZ.3 Lightweight Zoomなども展示しており、このあたりもInterBEEでの展示が予想される。

04 キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン[#4207]

4K放送用レンズは、「UHD-DIGISUPER 122」「CJ45e×9.7B」「CJ24e×7.5B」。EFシネマレンズは、「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」「CN-E20mm T1.5 L F」「CN-E14mm T3.1 L F」などを展示。

UHD-DIGISUPER 122は、広角端8.2mmから望遠端1000mmの焦点距離で122倍ズームを実現した放送用フィールドズームレンズ。4Kを超える高い光学性能を達成しており、画面中心から周辺部の隅々まで、高い解像力と高いコントラストを実現する高精細な映像撮影ができる。

EFシネマレンズの新製品は10月19日に発売したCN-E20mm T1.5 L Fに注目。スーパー35mm相当、35mmフルサイズ、APS-C、APS-Hのセンサーサイズに対応する広角単焦点レンズ。大口径非球面レンズや異常分散ガラスを採用し、画面中心部から周辺部に至るまで4K対応の解像度と高コントラストを実現している。

05 ケンコープロフェショナルイメージング[#4204]

写真はTokinaの「VISTA」シリーズのライムレンズ(左)とズームレンズ(右)

取り扱い製品のTokina「VISTA」シリーズのプライムレンズとズームレンズ展示する。VISTAシリーズは46.7mmの大型のイメージサークルやすべてのレンズでT1.5の明るさを特徴としており、18mm、25mm、35mm、50mm、85mmをラインナップ。さらに、NAB 2018では105mm T1.5を初公開。InterBEEでも展示を期待したいところだ。

ズームレンズには「VISTA 16-28mmT3 Mark II」をラインナップ。16-28mmフルフォーマットの広角レンズで、16mmから28mmまですべての画角で明るいT3.0絞り値を実現。フォーカス全域でブリージングの発生を抑制している。

06 三友[#4202]

写真は大判単焦点レンズ「Leitz THALIA」(左)と小型軽量が特徴の「Summicron-C」(右)

取り扱い製品のLeitz CINEのラインナップを展示。Full Frame、VistaVision、スーパー35までカバーした大判単焦点レンズ「Leitz THALIA」。径のサイズが95mmで小型軽量の「Summilux-C」は、16mmから135mmの12焦点距離をラインナップ。小型軽量を特徴としている「Summicron-C」は、高いASA/ISOデジタルカメラを念頭に構築され、コンパクトなサイズを維持しながら十分な被写界深度と性能を特徴としている。15mmから135mmまでの11の焦点距離をラインナップしている。

07 富士フイルム[#2116]

写真は46倍ズームを誇る「FUJINON UA46xシリーズ」

4K対応ポータブルレンズとして46倍ズームを誇る「FUJINON UA46xシリーズ」や、4K対応箱型70倍ズーム「FUJINON UA70x8.7」を中心に、高性能4K対応レンズを多数展示する。

UA46×9.5は、9.5mmから望遠437mmまでの焦点距離をカバーするポータブルレンズ。防振機構とドライブユニットの搭載により、スポーツ中継をはじめ、野生動物などを撮影するドキュメンタリー番組や報道取材などでの4K映像制作に貢献している。UA70x8.7は、広角8.7mmから望遠610mmまでの焦点距離をカバーし、スポーツ中継からコンサートやライブ中継などでの多様なシーンで4K撮影が可能。

また、スーパーハイビジョンコーナーを設け、今年12月から開始となる4K・8K実用化放送に向けて、スーパーハイビジョン映像制作に用いることができるFUJINONレンズの紹介も行われる予定だ。


Aコース[InterBEE 2018の歩き方] Cコース