4K/8K、HDR、RAWに対応した最新の編集ツールに注目

4K/8K、HDR、RAWによる高画質化やクラウドによる管理・編集によってワークフローはどのように変化するのか?会場で映像制作ソリューションを見て回ろう。映像業界の標準的な編集ツールといえば、「Final Cut X」「Adobe Creative Cloud」「Media Composer」「DaVinci Resolve」「EDIUS」など。

Final Cut Xのメーカーであるアップルの出展はないが、NAB 2018やCine GearではATOMOSブースにてProRes RAWのパフォーマンスのデモを行い、注目を浴びていた。InterBEEのATOMOSブースの展示にも注目したい。Adobe Creative Cloudのアドビは、2016年のインテルの共同出展ブースを最後に今年も出展していない。その代わり、ビジュアルグラフィックスブースでは、ワークステーションとストレージ、ビデオI/Oを組み合わせたターンキーシステムを展示。また、同社ブースでは「Premiere Pro × Other ~Round Trip~」と題したPremiere Proワークフローを助長するデモンストレーションも予定している。

アビッド、Blackmagic Design、グラスバレーは例年通りに出展する。特にアビッドはスムーズで効率的な制作を実現する「MediaCentral | Editorial Management」、Blackmagic Designは、Blackmagic RAWが目玉でProRes RAWとどのように違うのか?グラスバレーは、あのRio 4Kの展示が気になるところだ。ぜひ、ブースを回って各製品をチェックしてほしい。

01 さくら映機[#8312]

左から4Kリアルタイム編集 4KPrunus、新製品 4K Prunus LIVE>

リアルタイム編集システム「4K Prunus」、新製品の「4K Prunus LIVE」、4K HDRプレイヤー「Prunus 4K Player」などを展示。4K Prunusは、高品質な4K HDRのモニタリングをしながらの編集が行えるほか、4K XAVC Class300のリアルタイム書き出しやLong200の高速書き出し、複数ストリームのリアルタイムプレビューが可能。

11月に発売予定の4K Prunus Liveは、「プロダクションリプレイサーバ」+「編集」が一つになった4K HDRライブプロダクションシステム。日常は編集機として、中継時はフィールドに持ち出して収録用として4K制作のさまざまな局面で利用できる。8K60P 4:2:2 HDR対応のフルスペックシステムとしてバージョンアップした「8K Prunus」も展示予定。

02 Too[#8310]

左からPremiere ProのMotion Graphicsテンプレートを使用したInfographics、ノイズを除去できるEssential Soundパネルのインターフェイス

HPのワークステーション「Z8G4」とBlackmagic DesignのUltraStudio 4K Exteme 3やiMacProとAJA IO 4K Plusの組み合わせたAdobe Creative Cloud×K/HDR/VR60Pの編集ターンキーシステムを展示。8K編集も見据えたWindows、Macなど、豊富なラインナップから目的に応じた環境の提案を行う。。

Adobe Creative Cloudの最新版には、モーショングラフィックス制作ワークフロー、オーディオクリーンアップ、カラーグレーディング、キャラクターアニメーション、180° VRなどの新機能と機能強化が含まれている。

03 Blackmagic Design[#8216]

左から新しく搭載されたFusionページ、Fairlightページも大幅にアップデート

「DaVinci Resolve 15」は、編集、VFX、モーショングラフィック、カラーコレクション、オーディオポストプロダクションに対応したソフトウェア。DaVinci Resolve 15で追加されたFusionページでは、250種類以上のツールを使用して、合成、ペイント、パーティクル、タイトルアニメーションなどの作業が可能。Fairlightページも大幅にアップデートされ、エディターやカラリストたちの要望に基づき、100種類以上におよぶ新機能の追加や既存機能の改善が実施されている。

従来から搭載されているエディットページは、オフラインおよびオンライン編集でエディターが必要とするツールをすべて搭載。カラーページは最先端のカラーコレクションツールを搭載。編集、カラー、エフェクト、オーディオのページはワンクリックで切り替えることが可能。

04 ビジュアル・グラフィックス[#7201]

左からAutodesk Flameのノードベースの合成(バッチ)と編集タイムライン

出展製品の目玉は、Autodesk Flame 2019。10月31日にリリースされた最新Ver2019.2の新機能と最新ハードウェアによる展示を行なう。

また、毎年行われているミニシアターブースを拡大して、連日様々な企画のプレゼンテーションを実施。Autodesk FlameとAdobe Premiere Proの各エヴァンジェリストによる最新デモンストレーションや、注目企業を招いての業界をリードする注目企業やクリエイターをゲストに迎えしたスペシャルセッションを行なう予定。

05 アビッドテクノロジー[#6213]

左から「Media Composer | Ultimate」、「Pro Tools | Ultimate」

目玉はすべてのMedia Composerソフトウェア・オプションを利用できる「Media Composer | Ultimate」。ブースではノンリニア編集ツール「Media Composer」を始め、メディア共有ストレージ「Avid NEXIS」、Artist I/Oシリーズ「DNxIQ」、「DNxIV」、「DNxID」、ポストプロダクションワークフローを提供するMediaCentral | Editorial Managementを含め、4K/8K編集ワークフローの展示・デモを行う。

最大256のオーディオ・トラックを作成できるシステム。MIDI編集を強化する「Pro Tools | Ultimate」も展示する。トラック・プリセット等、インスピレーションを素早く形にするための数々のワークフロー改善を実現。ソリューションプラットフォーム「Avid | On Demand」なども展示予定。

06 フォトロン[#6111]

左からテロップシステム「TFX-Artist」、NEXISファイル管理システム「MediaCentral|Editrial Management」

4K HDR/8K対応の編集・グレーディング等の映像制作システム、ライブプロダクションシステム、スポーツ/報道のグラフィックスシステム、ストレージなどを展示する。編集関連では、国産・自社開発のテロップシステム「TFX-Artist」を出展。Mac版Adobe Premiere対応の「TFX-Pluguin」も実機展示を行う。

そのほか、アビッドの「MediaComposer」を始めNEXISシリーズを展示。初出展となるNEXISファイル管理システム「MediaCentral|Editrial Management」をアセット管理のエントリーモデルとして紹介するほか、クラウドソリューションの「MediaComposer|Cloud VM」を展示する。

07 グラスバレー[#3506]

左からカラーグレーディング&フィニッシング「Rio 4K」、4K HDR対応ノンリニア編集システム「EDIUS 9」

目玉は、カラーグレーディング&フィニッシング「Rio 4K」。ついにInterBEEのグラスバレーブースに展示される。Rioはオンライン編集、カラーコレクション、フィニッシングのツールセットを搭載しており、最新のNVIDIA MaximusマルチGPUテクノロジーを搭載したエンタープライズPCハードウェアを使って8K60Pでもインタラクティブなリアルタイムパフォーマンスを実現している。

もう1つは、4K HDR対応ノンリニア編集システム「EDIUS 9」。4KやHD、SDなどの解像度やフレームレートの異なるビデオを一つのタイムラインで快適に編集できるリアルタイム性やBlackmagic Design社やAJA社のハードウェアを活用したビデオ出力のサポートを特徴とする。

08 フィルムライト[#3311]

左から主力製品の「Baselight TWO」、既存のNLEやVFXワークステーションに組み込まれる「Baselight Editions」

今年は2014年以来、4年ぶりに自社ブースにて出展。フィルムライトは日本では浸透しきっていないが、海外では「Baselight」がハイエンドの映画製作市場では浸透しているグレーディングシステムだ。メインの展示は世界的にメジャーなグレーディングシステムのBaselightで、開発中のV5.2を公開する。

また、Baselight Editions製品として、Avid Media ComposerのAVX2用カラーグレーディングブラグイン「Baselight for Avid」とAutodesk FlameでBLGをロードし、レンダリングできるプラグイン「BLG for Flame」を展示する。


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