[InterBEE 2018]会場出口インタビュー
平成最後のInterBEEが開催!
快晴となった初日のInterBEE2018は11月半ばでも暖かいということもあってか、朝から沢山の来場者が列を成した。来月から開始される4K放送を受け、毎年正面エントランスで行われていた開会式のテープカットは国際会議場に場所を移し、新4K/8K衛星放送事業者のトップらによるフォトセッション「Opening Session & Keynote Speech」に置き換わり4Kコンテンツの上映なども行われた。
今年のInterBEE2018は「新たなメディアの可能性を世界に伝えよう」のスローガンのもとに過去最多の出展者数1,152社となった。
またAI(Artificial Intelligence)、360°映像、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)など、視覚、聴覚のみならず、触覚や嗅覚に訴える表現や先端デジタルコンテンツ技術デジタルコンテンツEXPO 2018が同時開催となったほか、新企画として第5世代移動通信システム(5G)を活用する新しい映像体験ができるINTER BEE 5G/INTER BEE IP PAVILIONが新設された。「INTER BEE IP PAVILION」では、IP関連メーカー各社のリレープレゼンテーションと展示とともに、海外展示会では実績のあるIP実機接続デモを各社の協力を得て初めて実施。次世代のライブ映像制作と配信を実現するIPライブ伝送の最新の取り組みが披露された。初日はソニーのプレス発表および4K/8K製品を中心に見ていこう。
今回ソニーはスマートフォンを利用する業務用インカムアプリCallsign(コールサイン)のほか、情報カメラ映像提供サービス「スマート情報カメラ」やSNSリアルタイム速報サービスSpectee(スペクティ)といったサービスのほか、IP Liveプロダクションシステムを中心にライブソリューションの拡充やVENICE対応エクステンションシステムCBK-3610XS、さらに進化したHDR映像制作ワークフローSR Live for HDR、4K XAVCレコーダーPZW-4000などが発表された。
Callsignは、3G、4G、Wi-Fi回線を利用することで、接続距離の制限をなくすことができるのが主な特長となっており、スマホにインストールするだけでスマホがインカム専用機と同等の機能をもち、使用できるというもの。専用機を用意する必要がないため、緊急時や繁忙期などのスタッフ増員時にも簡単に対応可能なほか、1端末で6グループへの同時接続が可能。
スマート情報カメラサービスは、ソフトバンクの携帯電話基地局にネットワークカメラを設置し、ライブ映像とアーカイブ映像を提供する新たなIoTサービスで、放送局での情報カメラやお天気カメラ、自治体における防災対策、交通状況や設備のモニタリングなどの用途を想定している。
Specteeは、SNSに投稿された情報をAIが解析し、必要な情報のみを自動収集するリアルタイム速報サービスとなっておりTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeを横断的に検索し、指定された事象に関連が高いテキストや画像、動画をリアルタイムで収集可能。収集された情報は、ダッシュボードと呼ばれる画面に一覧でまとめられるとともに、テキストの自然言語解析により、投稿内容を要約した見出しを自動的に生成することができる。
PZW-4000は4K映像ファイルを従来比約1/3に圧縮可能なビデオフォーマットXAVC-L422 QFHD 200を搭載したレコーダーで、本機だけで4K HDR映像を高画質かつ低ビットレートで収録・送出・トランスコードすることが可能。本体に2TB の内蔵ストレージを内蔵しており、収録しながらの追いかけ再生やファイル転送が可能など、サーバーと同等の運用が可能。また、USB インターフェースも搭載しており、USB 外部ストレージメディアから内蔵ストレージへのコピーにも対応。
キヤノンは例年、事前に招待券を送ったユーザーを対象にした特別室を設けているが、今年はIBC2018で発表した2/3インチ放送用フィールドズームレンズUHD-DIGISUPER 122と、長焦点距離・高倍率で幅広い撮影領域をカバーするUHD-DIGISUPER 111および4K対応業務用ディスプレイを中心とした展示となっている。これらのレンズはスポーツ中継やイベント中継などに使われることが多く、距離の離れた場所から目的の被写体を捉える目的のレンズなのだが、一般のブース出展では実際の中継のような距離感を体験できるスペースを確保するのが困難であったことから、会場2Fの見晴らしの良い場所を確保し、実際の使用を想定した使用感で体験できるようになっていた。
UHD-DIGISUPER 111は4Kを超える光学性能を有しているほかキヤノン独自のシフト式光学防振機構を搭載したほか、ズーム操作だけでぼかしの効果を活かした多様な映像表現・撮影演出が可能なエクステンシブ・デフォーカス機能などが搭載されている。高倍利率ズームは望遠側に拡張されることが多いがDIGISUPER 111は広角端8.3mmから望遠端925mm(1X時)を実現。
UHD DIGISUPER 122も4Kを超える光学性能を有しており、シフト式光学防振機構やエクステンシブ・デフォーカス機能を搭載している。望遠端1000mm(1X時)から広角端8.2mmをカバーしており、ズーム倍率は焦点距離、広角端ともクラス最高レベルを達成122倍となっている。
各種4K対応業務用モニターのコーナー。12G-SDIを装備や高輝度で豊富なインタフェースを搭載したDP-V2421やDP-V2411、DP-V1711など。HDR方式であるHybrid Log-Gamma、映画制作や配信向けのHDR方式PQ、キヤノン独自のLogガンマCanon Log/Log 2/Log 3などHDR映像制作アシスト機能を搭載しており、放送やデジタルシネマなど様々な制作現場で可能。