[InterBEE 2018]会場出口インタビュー
これからの4K/8K放送を支える製品群に注目
2日目も快晴に恵まれ、相変わらず多くの来場者数が訪れている。来月から4K放送が始まるということで業界だけでなく一般の人たちの関心も高まってきていることも理由の一つなのかもしれない。すでに業界では4Kが当たり前になりつつあるようで、今年のInterBEEでは8Kを前面にだしたブースのアピールが多くなってきている。これは実際に8K対応の機材が増えてきたのが理由だろうが、業界の商戦が次のステップに移ったという見方もできる。時期的にも世界的に景気が上向いていることも追い風になっているようだ。
4K/8Kというと業界ではアストロデザインが先鞭をきっており、カメラやレコーダーだけでなく今年はプロジェクターブースも前面に展示して注目を集めている。その横側では8Kストリーミング放送の上映も行っていた
ビデオウォールなどの大型ディスプレイは解像度的に8K対応は比較的簡単で、ディスプレイユニットの組み合わせで対応可能だ。すでに各社からそうした出展はあるがアズラボでは16K120Pを世界初としてアピール
世界初ということではNHKも8Kリビングシアターを設置し、実際の家庭内での視聴を想定したデモを行っている。これはBSを使った8Kによる実験放送で実現したものだろう
8Kの制作機材はまだまだ高価で、こうした機材を導入して8Kコンテンツを制作するのは難しい。そのあたりはNHKメディアテクノロジーがうまくフォローしており、会場では同社が制作したコンテンツを上映していた
4Kが当たり前となったメーカーも次のカメラとして8K開発を進めているが、パナソニックがAK-SHB810という8K対応のカメラを2019年秋に発売すると発表した。価格は発表されていないが、放送と映像制作の幅広い用途に対応を謳っていることからリーズナブルな価格になると見てよいだろう
放送機器としての8K機材は池上通信機や日立国際電気などがNHK技研などと共同で開発してきた経緯があるが、パナソニックが業務用レベルのカメラとして発売を発表したのは既にキヤノンなどの8K対応を表明してきたメーカーにとっても刺激になることだろう
キヤノンは放送用やデジタルシネマ対応向けの8K対応ズームレンズの発売も始めている。スチルカメラメーカーやシネマレンズメーカーが35mmフィルムカメラの時代に設計したものを外装をデジタルシネマ用途して発売したものとは異なり、8K対応のズームレンズとして新たに設計されたもの
放送用の8Kレンズといえばもちろん富士フイルムも8Kレンズを発表している。今年はかなり力の入った目立つディスプレイをしており、中継用の箱型レンズやENGタイプのものなど5本が開発されている
会場で展示されたのはプリズム光学系に対応したHP7.5×8.5とHP11x22.5および、単板式PLマウント対応のSK7.5×19.7、SK20x35の4本で、SK3x12は展示されていなかった
8K対応はカメラやレンズだけではない。Avidやグラスパレー、Adobe、さくら映機なども8K編集に対応している。こうしたなかでもさくら映機のPrunusは日本のメーカーで放送局でも導入されている数少ないメーカーだ