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見所が多いソニーブースで気になったもの
小寺信良
NAB会期初日となる本日は、ソニーブースを取材した。今回のソニーもカメラ、IP伝送、モニター、ニュースワークフローと見所が多い。その中でも個人的に響いたものをご紹介したい。
一つは新型のワイヤレスマイクシステム。UTX-B40とURX-P40のセットだ。前モデルよりも多少小型化されたが、ポイントはそこではない。今回レシーバのURX-P40に「NFC Sync」というボタンが新設された。
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ワイヤレスマイクシステムの新モデル
もともとこれらのワイヤレスマイクは、現場で空いているチャンネルを探すために、使い始める前にチャンネルスキャンをしなければならないが、これまではメニューの奥にあったため、スキャン動作が面倒であった。
今回の新モデルはこれを表に出した…だけではない。ボタン一発で空き周波数を探したのち、トランスミッタのほうをレシーバにくっつけると、NFCによって周波数が転送され、送り側受け側の周波数設定まで一発で終了する。マイク準備の時間が大幅に短縮されるのに加え、周波数設定ミスも防げる。たまにしかワイヤレスマイクを扱わない人にとっても、設定内部にはいっていく必要がなく、細かい段取りを覚える必要がないのはメリットが大きいはずだ。
NFCはもともとスマートフォンで採用が多い技術なだけに、使い慣れている人も多いだろう。こうした工夫で徐々に省力化され、間違いがなくなるのは結構なことである。
NAB2019開幕!気になった製品あれこれ
岡英史
今日から本番が始まり、PRONEWSライターチームも走り出した。毎年恒例の一発目は早朝に行われるAJAのプレスカンファレンス。8時からスタートなので軽食を用意して貰えるのは非常にありがたいが大体前日は取材準備等々で寝れないので、時差ボケと合わせて結構つらい。AJAが終わるとBMDの怒涛の新製品ラッシュのカンファレンスでようやく正気に戻る感じなのか?そこから昼食を食べる暇もなく一気に終了がパターンだ。では初日スタート!
■カメラカー
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InterBEEでは中々見れない物の中にカメラカーがあるが、NABだとその車種が凄い。今回一番ぶっ飛んだのはボンネットとリアゲートぶち抜いてアームが飛び出てるランボルギーニウラカンのカメラカー。正に世界最速のカメラカーだ。助手席にはしっかりと各種リモコンのオペレート装置が付いている。一度扱って見たい、もちろんドライバーシートの方で。
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■Libec
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最近ご無沙汰のLibecからは新機種登場。すでに発表はしているが実機はしっかりと見たことがなかったので改めての訪問。小型軽量モデルばかりと思われている同社が久しぶりに登場させたのが耐荷重40~69kgまでのQDシリーズ。TV放送の高倍率ズームレンズやシネマ系での重たいカメラに対応すべく今までの同社のヘッドから想像が出来ないほどの大きさ。もちろん精密制度はどのメーカーよりも優れているのでその性能は想像できる。後発なので色々な機能がわかりやすく簡単に扱えるのが特徴だろう。
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小型三脚TH-Zは既に出ているTH-Xの耐荷重を増やしたもの。ヘッドの大きさは変わらないのでワンマンでの取材にはまさにピッタリだ。
■AZDEN
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InterBEEでなんとなくヒントを貰っていた2.4G帯のデジタルワイヤレスマイクPRO-XRが登場。同社の従来型の物と筐体デザインは変わらないが中身は完全に一新し別物となっている。この周波数帯域は色んな邪魔物?を如何にすり抜けるかがポイントになるが、特に人体の遮断に対応すべく従来の方式から別の方式に、例えると小さいダイバーシティを搭載した様な物で人物の陰に入っても途切れることは非常に少ないとの事。日本では夏ごろの発売予定でこれも楽しみな機材だ。
驚きの製品たちに出会ったNAB2019初日
猿田守一
いよいよNAB SHOWが開幕した。今朝は8時前からAJAのカンファレンスに参加というスケジュールとなった。AJAはKi Pro GOが新製品として発売された。この製品は収録現場などで収録後にその場で収録データをUSBメモリーに複数コピーして確認したいという要望から生まれたようだ。その他の製品は新しいVer.となり機能強化を行っている。
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その次に訪れたBlackmagic Designでは8K関連製品の衝撃的な発表と相なった。毎回恒例なサプライズなのだが、今回も驚かされた。最初に紹介された8K収録機であるHyperDeck Extreamが会場をざわつかせた。この8K収録機はモニター部とデッキコントロールに分かれており、モニター部はHDR対応の高輝度液晶仕様となっている。デッキコントロール部は往年のジョグシャトルが搭載されており9ピンシリアルによりHDCAMやベータカムVTRをコントロールできる仕様となっている。それ以外にも多彩な機能を満載していながら価格は5,000ドル以下と驚きの価格設定に「本当にこの価格でいいの??」と思わず心の中で叫んでしまった。
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ノースホールにはeSportsのコーナーがあり、近未来的な演出に興味をひかれた。
今後の展開が気になった新製品たち
宏哉
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今日は、毎年恒例のAJAのブレックファーストカンファレンスから。AJAが用意してくださる朝食をいただきながら新製品の発表を聞く、和やかな雰囲気のカンファレンスです。AJAからは、8K対応PCIe接続のI/Oボード“Corvid 44 12G”やH.264コーデックでHD60pを4系統同時に収録可能可能な“KiPro Go”が発表されました。目の覚める発表会でした。
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続いては、Blackmagic Designのプレスカンファレンスに参加。BMDは8K祭!8K対応のATEMスイッチャやレコーダ、コンバータが登場。DaVinci Resolveはver.16になり、新しい編集ファンクションや専用キーボードが発表されるなど、今年も魅力的な発表が続きました。その中で私が注目したのは BMPCC 4Kの増設バッテリー“Blackmagic Poket Camera Battery Grip”。いわゆるソニーLバッテリー互換の充電池を2つ内蔵できる増設アダプター。これでバッテリーの確保も容易になり、長時間のロケにも安心して対応できそうです。
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Grass ValleyではEDIUS 9.4が展示されていました。Apple ProRes出力の対応と ProRes RAWの読み込みに対応というのがビッグニュース。また、HDRとSDRの相互変換の最適化やマルチカメラ編集の強化など、手堅いアップデートが多かったです。
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JVCでは CONNECTED CAM“GY-HC550”の展示が気になりました。レンズ周りなどの動きも良くなっていました。また参考出展の段階ですがH.265のエンコーダーアダプタも展示され、将来的にはHC550の拡張スロットに差すことHC550でH.265での収録が可能になるなど、今後の展開が楽しみです。
初日からレンズでワクワク
栁下隆之
初日から飛ばして行こうと思いきや、ブースの動画取材で身動きが取れず…と、その取材先で面白いも物を発見。ZEISSブースの取材中にDuclos Lensesで改造されたOtusを見せていただいた。普通なら社外改造品のレンズなどはブース内に展示するなどはなかなか無いだろうが、ユーザーにとってメリットが有る物ならと展示されているとの事。
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なんとZF.2(ニコン)マウントをベースに、絞りリングのデクリック化と、ヘリコイドグリスの封入でシネマレンズ同様の滑らかなアイリス操作を可能にすると同時に、EFマウント化が施されていて、動画マーケットに多く存在するEFマウントの大判センサーカメラに装着出来るようになっている。日本ではなかなか見かけない改造だが、このように貪欲に機材を取り入れる北米マーケットならではと思う。ZEISSブースの詳細は動画レポートを見ていただくとして、こんな隙間的な展示を見落とさず拾っておかないとと、肝に命じた1日目であった。
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レンズとアイリスリングにギアを装着して、前玉には95mmφのアダプターを装着したシネモッドのEFマウントOtus1.4/28。アイリスの改造だけも価値ありだ。
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富士フイルムブースではMKズームをEマウントに社外マウントでMFTに改造した物を展示。GH系でも使えるというのはEマウント・MFTマウント両ユーザーの筆者としてはとても興味深い。
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