txt/movie:MonkeyHills(岡英史&猿田守一) 構成:編集部
QBEE2019開幕!宝物を探して九州へ
毎年梅雨時期と重なるためか、これまで荒天が続いた九州放送機器展(以下:QBEE)だが、今年は初日から快晴で場内が暑いほど。こんな事は筆者が通い出してからは初めてだ。毎年7月末の恒例遠征であるQBEE、今年も猿田氏と共に参戦をしてる。毎年QBEEには驚かされる機材が確実に何点かコッソリと展示されている。それを見つけるためだけに博多まで通っていると言っても過言ではない。それではメーカー毎に簡単に見て行こう。
キヤノン
ここ近年はCINEMA EOSを中心としたシネマ・制作系展示が多かったが、今回の一押しは同社が得意とするブロードキャストのB4レンズ(いわゆる箱レンズ)で、122倍のUJ122×8.2Bの4Kレンズ。122倍はクラス最高倍率。
もう一つはテレ端で1000mmの望遠ながら従来のENGレンズサイズ。CJ18e×28Bと型番通り、全体的にテレ側にシフトしたレンズ。その割切りは個人的にありだ。
ソニー
関西放送機器展では小さいブースだったがここではいつもの大きさ。それに伴って展示物も多い。
その中で気になるのはクラウド上でのマルチカム収録。主にSNS等のWeb配信スイッチングをメインに置いている。モニターのキャリブレートはサードパーティーでも色々あるが、ソニーは純正でそれらを初期状態にセットしてくれるサービス。小型業務用ワイヤレスのインターフェースシューをアナログからデジタル接続に変える事で「サー」と言うノイズ音を完全に消すことが可能。
NABで発表されたマルチフォーマットポータブルカメラHDC-5500も九州初お目見えだ。
パナソニック
関西でも人気の高かったAG-CX350は九州でも大人気。新ファームを搭載し、より完成度が高まった。またNABでも好評だった8Kからの自動切り出しシステムも参考展示。残念ながらNABほどの規模では展示できなかったがInterBEEではもう少し期待できるものを展示するとのこと。
富士フイルム
MKレンズ等のシネマレンズではなく富士フイルムもブロードキャストB4レンズを前面に出してきた。スタジオカメラはリモートによるバックフォーカスが可能になり、細かい調整をVEが遠隔操作で素早く完了する事が出来る。
望遠レンズの定番UA46×9.5はクラス最高倍率のENGレンズだ。まだモックではあるが箱レンズUA125×8は来年発売予定の125倍という高倍率レンズ。もちろん4Kレンズだ。
ブラックマジックデザイン
NABで発表された8Kソリューションは九州でも注目の的。低価格4Kブロードキャストカメラを使えば撮影からアーカイブまで全て自社製品で揃えられるのはソニー、パナソニックを除けばブラックマジックデザイン一択。しかもその構成予算はどの他メーカーと比べても一桁変わるのは流石黒魔術と言うしかない。
朋栄
ブロードキャストといえば忘れる事が出来ないのは朋栄だ。今回はTESTパターンジェネレーターという機材を前面に出していたが、これがなければ信号チェックが出来ない。地味だが絶対に必要な機材を揃えているのはさすがと言えるだろう。
ローランド
多機能な装備をワンパッケージにしワンマンオペレートも可能なLIVEスイッチャーV-60HDに最近新ファームが実装され、スイッチャー卓からカメラコントロールができるようになった。特にパナソニック製の旋回カメラはズーム・フォーカスだけでなく、パン・チルトも可能となっている。面白いのはそれらをコントロールするのがマウスだけでなくゲームデバイス(ジョイスティック等)でも可能だということだ。
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