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txt・構成:編集部
スイスで設計を行うIrixブランドのシネマレンズ初出展予定だった!!
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ケンコープロフェショナルイメージングのあるケンコートキナー本社ビル
ケンコー・トキナー、スリック、ケンコープロフェショナルイメージングは、今年もCP+に合同ブースとして出展予定だった。その中でも、動画関連のブランドを多数扱うケンコープロフェショナルイメージングは、CP+2020ではどのような展示を予定していたのか?東京・中野のケンコートキナー本社ビルで聞いてみた。
今年のケンコープロフェショナルイメージングは、CP+の展示会場でデジタル一眼レフ用交換レンズを扱うIrixやストロボのゴドックス、アルカスイス、会議センターのプロ動画エリアはIrixやTokina VISTAのシネマレンズなどを展示する予定だったという。その中で最も注目展示となるはずだったのが、フルサイズに対応したIrixブランドのシネマレンズだ。
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※写真はCP+2019の様子
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※写真はCP+2019の様子
フルサイズをカバーするシネマ版Irix交換レンズの国内取り扱い予定
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Irixのシネマ製品ラインはIrix 11mm T4.3、Irix 45mm T1.5、Irix 150mm T3.0をラインナップ中
Irixはスイス、ポーランド、韓国の3カ国に拠点を置くレンズメーカー。レンズの設計、マーケティング、製造をそれぞれの国が担い、ユニークなレンズの開発・販売を行っている。
スチル向け交換レンズでは11mm F4、15mm F2.4、150mm F2.8マクロの3モデルが発表済みだが、CP+のプロ向け動画エリアブースでは、取り扱いを予定している8K、フルフレーム対応のIrixシネマ向け交換レンズ「Irix Cine Lens 11mm T4.3」「Irix Cine Lens 45mm T1.5」「Irix Cine Lens 150mm T3.0」を展示予定していたという。スチル向けIrixは2020年3月10日発売で、シネマ向けIrixの国内発売日は未定。
シネマ向けIrixは、スチル向けIrixの光学設計をそのまま活かしている。スチル向けは11mm、15mm、150mmをラインナップし、シネマ向けに新規開発した45mmを加えた11mm、45mm、150mmの3本をラインナップする。スチル向けは絞りリングのないカメラ本体制御だが、シネマ向けは0.8Mピッチ標準の無段階のシネマギアを搭載している。
スチル向けのマウントは、キヤノンEF、ニコンF、ペンタックスKの一眼レフ用3マウント。シネマ向けは、キヤノンEF、ソニーE、マイクロフォーサーズ、PLの映像系で定番の4マウントをラインナップする。
シネマ向けIrixの特長は、他社シネマレンズメーカーにはないテレ端とワイド端に振ったラインナップだ。フルサイズ対応シネマレンズで、11mmや150mmマクロの等倍撮影が可能なプライムレンズをラインナップするメーカーは存在しない。
例えば、一般的な大手シネマレンズは15mmや18mmが広角の最端焦点距離だが、Irixはそれらを上回る11mmをラインナップする。室内で引きがない場所で、もう一歩引きがほしいという場合に、Irixの11mmは有効になるだろう。
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画角123°の撮影が可能なIrix 11mm T4.3。魚眼レンズではなく、超広角レンズだ
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最前面のレンズは球状に膨らんでいる。広角レンズなので、真っ直ぐなものは直線に写る
Irix 150mmは、最短撮影距離34.5cmで等倍撮影が可能な中望遠マクロレンズ。270°の回転フォーカスリング、75°の回転絞りリングを搭載している。
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シネマレンズで150mmと等倍マクロ撮影を実現したIrix 150mm
Irix 45mmは、シネマ向けのみにラインナップする標準画角のレンズ。絞り範囲はT1.5からT22で、180°の回転フォーカスリングや75°の回転絞りリングを搭載。45mmは、ARRIやツァイスなどのシネマ業界定番のメーカーにはないユニークな焦点距離ともいえるだろう。
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スチル向けにはない、シネマ向けのみラインナップするIrix 45mm
Tokinaシネマレンズの50-135mm T2.9 Mark IIやVista 135mm T1.5に注目
ケンコープロフェショナルイメージングといえば、Tokinaシネマレンズブランドの展示も見逃せない。
Tokina 50-135mm T2.9 Mark IIは、スーパー35mm判のイメージセンサーをカバーするズームレンズ。T値は全域でT2.9で、PL、EF、ソニーE、マイクロフォーサーズ、ニコンFのレンズマウントに対応する。近日発売予定で、価格は税別498,000円。Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kとの組み合わせが面白そうなレンズだ。
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スーパー35mmに対応するズームレンズ「Tokina 50-135mm T2.9 Mark II」
Tokina Vista 135mm T1.5も発売開始したばかりの注目製品。フルフレームを超える46.7mmという大きなイメージサークルをカバーし、Monstro 8K VVにも対応する。一般的なシネマレンズは、テレ端やワイド端になるほどT値が高くなるのに対して、Tokina VistaシリーズはT1.5にこだわっている。Tokina Vista 18mmのワイド端でT1.5の実現に続き、テレ端のTokina Vista 135mmでもT1.5でも実現したのは驚きだ。18mm、25mm、35mm、50mm、85mm、105mm、135mmの7本すべてT1.5でラインナップし、径やT値は一緒で、ブリージングはなしという驚異的なシリーズだ。
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シリーズ7本目のTokina Cinema Vista 135mm T1.5
お手頃価格ながら優秀な品質のFEELWORLD F6 Plus
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1920×1080の解像度をもつ5.5インチIPSスクリーンを搭載したFEELWORLD F6 Plus
ケンコープロフェショナルイメージングは、昨年より放送、産業、医療用モニターを手掛ける「FEELWORLD」ブランドの取り扱いを開始。FEELWORLDは、お手頃な価格でありながら十分な品質を持ったモニターを発売する話題のメーカーだ。CP+では、まもなく発売予定の1920×1080解像度の5.5インチIPSスクリーンを搭載した「FEELWORLD F6 Plus」を展示予定だったという。価格は税別30,800円。
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FEELWORLD F6 Plusは4KのHDMI入力とループアウトを備えている
FEELWORLD F6 Plusの特長はタッチパネルを採用しており、メニュー操作がパネル上で行えること。また、安価な外部モニターは入力のみの対応に対して、4K HDMI入力&ループ出力に対応。F5などの現行モデルに搭載されていた好評機能を引き継いでいる。メインモニターからスルーで出た信号をFEELWORLDのモニターで接続し、ほか何台かにもHDMIスルーで繋げる運用が可能だ。
アルカスイスの新型レベラー「Core 60」「Core 75」発売開始
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直径が60cmのLシリーズコアレベラー60(左)と75mmのLシリーズコアレベラー75(右)
アルカスイスからは、Lシリーズコアレベラー60/75が登場する。カメラを三脚またはP0ボールヘッドなどと組み合わせて水平を微調整するためのレベリングユニットで、ギアヘッドは扇状に動くことにより被写体位置をほぼ変えずに水平、垂直の微調整が可能。
通常の雲台で微妙に角度を修正しようとすると、角度は大きく動いてしまう。しかし、ギアヘッドを使えばギアを回して微調整が可能。建築写真やプロの物撮りなどのカメラマンで微妙に水平や傾きを変えたいとき便利な機器だ。
コア75はコントロールノブをX軸、Y軸を+−15°、コア60は+−10°の範囲で微調整可能。コア60は、P0をP0ハイブリッドにアップグレードできる。
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ノブを使って極端に動かした例。このような状態にまで稼働できる
txt・構成:編集部
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