取材・文:編集部
縦グリップデザインのスタビライザー付き小型カメラ「Feiyu Pocket」登場
アクションカムから一眼レフ、スマートフォンの3軸ジンバルを手掛けるフェイユーテック。フェイユーテックは、昨年に続いて今年のCP+も出展を予定していた。そこで、フェイユーテックの国内総代理店であるTS TRADEにCP+2020の出展内容を聞いてみた。
「実は今年のCP+で新製品の展示予定がありました」と少しもったいぶって見せて頂いたのは、スタビライザー付き小型カメラの「Feiyu Pocket」。見た瞬間「えっ!!」と思わず二度見してしまうインパクト。確かに「FeiyuTech」の文字が入っているが、どこか親しみのあるデザインにびっくりだ。Feiyu Pocketは、本国のWebサイトでも紹介されていない、かなりレアな新製品だ。
最近デジタルガジェット系メディアでOsmo Pocket似のXiaomi社製小型カメラ「FIMI PALM」が話題になったが、Feiyu Pocketはそれとは別の製品。デモ機は稼働する状態で、撮影も可能。発売は5~6月で、価格は税別29,500円を予定している。
また、まだ発売前の試作機の段階で仕様が確定したわけではないとのことだが、ディスプレイサイズ、ファストフォーカス、レンズ、シャッタースピードなどで競合製品を上回っている。例えば、レンズは、120°の広角レンズを搭載しており、他社製品の80°よりも使いやすくなっている。手ブレ補正は6軸ハイブリッドイメージ補正、Wi-Fi接続方法はビルドインWi-Fiモジュール内蔵でモジュールを付け足す必要はないなど期待ができそうだ。
光学120°でF2.8のレンズを搭載
撮影モードの選択。メニューは日本語で表示されている
底面には1/4インチネジを搭載。待望していた人も多いはずだ
1.3インチのディスプレイを搭載。競合製品よりも少し大きい
3つの物理ボタンを搭載。競合製品は2つに対して多くなっている
データストレージはMiniSD。最大は512GBをサポート。競合製品は最大256GBだ
Wi-Fiモジュール内蔵により、本体だけでスマートフォンと接続できる。スマートフォン側から遠隔操作してカメラ側を操作することも可能
離れたところからリモート操作に対応した自動雲台「QING」
ジンバル本体と右下がBluetoothモーションセンスコントローラー
タイムラプス、パノラマ、広角、固定などの撮影に特化した一眼レフ/ミラーレス用雲台「QING」も展示されるはずだった新製品だ。価格は税込98,450円。ブラシレスモーターを搭載し、スムーズな動作が可能。手持ちジンバルを数多く発売していた技術を応用して実現した雲台とのことだ。
ソフトウェア面もQINGの特長で、リモコンに搭載しているハンドルでモード切替、マニュアル回転、撮影、パラメーター設定、軸回転などを遠隔操作できる。カメラのレンズにフォローフォーカスを取り付ければ、レンズのコントロールも可能。遠隔操作による自撮り撮影に便利そうだ。
タッチパネルやノブ、トリガーボタンで離れた位置から操作が可能
フェイユーテックの3軸ジンバルをチェック
■耐荷重、重量のバランスに優れたミドルクラスのジンバル「AK2000S」
ジンバルの展示ももちろんCP+の目玉になるはずだったという。その中でも注目機種は一眼向けの「AK2000S」。価格は税別49,500円。
フェイユーテック製ジンバルのフラグシップモデルは、重量4,600gまでのカメラに対応する「AK4500」。AK2000Sは、そこまでオーバースペックを必要としない重量2,200gまで対応のミドルクラス向けジンバルだ。ミドルクラス向けといっても、例えばソニーのフルサイズミラーレスとFE16-35mmF2.8の組み合わせはOK。一般的な撮影には、AK2000Sの仕様で十分ではないだろうか。
AK2000Sの特徴は、収納がコンパクトになるところだ。折りたたむとA4サイズぐらいと小型になる。これまで一眼レフ用のジンバルは、とても重くて移動に不便というイメージがつきまとっていたが、AK2000Sはその問題を解消している。
バーサタイルハンドル搭載も大きな特徴だ。過去の機種には、デュアルハンドルと呼ばれる両手でジンバルを保持するアクセサリー対応の機種もあったが、そこまで業々しく撮影したくない方向けに手軽に撮影できる製品だ。なおかついろいろなアングルが撮りやすくなる。
バーサタイルを取り付けた状態。通常のアングルを撮影
バーサタイルを使えばこれまでは撮りにくかったローアングルアングルに対応しやすくなる
また、アドバンスドキットには、レンズをギアで動かすブラシレスフォローフォーカスがセットになっている。
フォローフォーカスキットでマジックリングでのフォーカスやズームが可能
ハンドル部分は従来機種から変わっており、円柱状から平らな部分をもったデザインに変更されている。よりグリップがしやすくなって、手になずむようになっているのもポイントだ。
グリップ部は人間工学に基づいた設計で素材はローズウッドを採用
また、各軸にロック機構を搭載されるように改善されている。これまでのジンバルは、各軸がブラブラの状態で持ち歩いていたが、AK2000Sでは各軸を固定することができるスイッチを搭載した。このスイッチにより、収納する際に軸を固定した状態で収納することができるようになる。この軸は後に紹介するG6MAXでも搭載している。
三軸それぞれにロック機構を搭載
本体に給電しながら使うことができるようになった。内蔵バッテリー搭載で約12時間の稼働が可能だが、モバイルバッテリーと組み合わせて長時間駆動が可能になる。
本体にUSB Type Cの充電ポートを搭載
■スマートフォンからミラーレスカメラに対応するマルチジンバル「G6Max」
「軽いレンズしか使わないので、AK2000Sほどのスペックは必要ない」という方には「G6Max」が向いている。価格は税別36,500円。コンパクトデジタルカメラやスマートフォン、アクションカム、小型のミラーレスカメラなどマルチに対応した手持ちジンバルだ。耐荷重は1.2kgで、コンパクトでありながらさまざまな小型機種対応というのがポイントだ。
■軽量で価格が魅力なスマートフォン向けジンバル「VLOG pocket」
スマートフォン向けがほしいという方には、スマホ専用ジンバル「VLOG pocket」がある。折り畳み式によるコンパクなことや税抜9,500円という価格が特徴的だ。
取材・文:編集部