キヤノン/キヤノンマーケティングジャパンブースの「EOS VR SYSTEM」コーナーでは、RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEとEOS R5 Cを組み合わて制作された3D 180°VR映像による仮想体験の展示が行われた。
VRコーナーでは3つのコンテンツから視聴したいものを選択し、体験できるようになっている。コンテンツは「旅行」「野生動物」「重要文化財」と、それぞれ独立した全く別の内容だ。「野生動物」「重要文化財」の撮影を行ったクリエイターが登壇するセミナーも開催されており、そちらも合わせて視聴、参加することでより楽しめるようになっている。
■CP+2023セミナー情報
「EOS VR SYSTEMで表現する真宗 高田派本山 専修寺」
日時:2月24日(金) 12:15-13:00
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EOS VR SYSTEMとは
EOS VR SYSTEMは、RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEとEOS R5 C/EOS R5、VR映像の変換に使うアプリケーションからなる撮影システム。RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEとEOS R5 C/EOS R5という省機材で、手軽に高品質なVR撮影が始められる。180°撮影は360°撮影と比較して、撮影者や影が映り込まず、正面(レンズ側の視点)に集中できるため、撮影の負担を軽減可能。動画サイズも抑えられるため、編集の手軽さもメリットの一つだとしている。
EOS VR SYSTEMの特長と強み
暗いシーンでもクリアな映像に
大口径・F2.8、Lレンズの光学性能、EOS R5 C/EOS R5の高感度CMOSセンサーやDIGIC Xの連携により、高いノイズ処理能力を発揮し、薄暗いシーンや意図的に光量を落とした表現も、クリアな映像表現を実現するという。また夜など、地明かりのみの暗い状況での撮影も可能だ。
逆光時のゴーストを低減
画角の広いVRレンズの屋外撮影は、一般に太陽がレンズに映り込まない時間帯に限られることが多かったが、RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEは、優れた反射防止効果を発揮するキヤノン独自の特殊コーティング「SWC(Subwavelength Structure Coating)」を採用したことにより、逆光でのゴーストを低減し、斜光が魅力的な朝夕の撮影にも適している。
屋外での撮影機会が拡大
従来、日が傾いてくると順光では撮影者の影が映り込み、逆光ではゴーストが発生する可能性があるため、屋外のVR撮影は真昼前後に限られていたが、SWC採用によりゴーストを低減することで、屋外での撮影機会が大幅に拡大した。
VRの撮影・編集工程を削減
EOS VR SYSTEMでは、EOS R5 C/EOS R5の単一センサーで映像を記録。2つのレンズと2つのカメラ(2つのセンサー)を使用して撮影する場合、センサーの個体差による色差、輝度差などが生じ、それらを統一する必要があったが、単一センサーなら左右のレンズから入った光を1つのセンサーで受け止められるため、その必要がない。
さらに、シーンごとに左右それぞれ2ファイルを管理することなく1つのデータとして記録可能。2つのレンズと2つのカメラ(2つのセンサー)を使用する場合と比べ、撮影前・撮影後の煩わしい工程を減らし、ワークフローを短縮する。また、記録メディアが1枚で済む点も魅力的だ。
CP+2023会場で8K 3D映像の180°VR映像を体験してみた
会場ではEOS VR SYSTEMで収録した臨場感のある3つのVR映像体験を提供しているので、CP+2023で初お披露目となった 「野生動物VR~アナグマ編~」を実際に体験してみた。
椅子が普通の椅子とは違い揺れて動くような椅子だったため、アナグマが住んでいる山奥の不安定な足場にいるような感覚になり、没入感がより一層アップしていた。全体的に動きは少ないが、アナグマが掘った穴がよく見え、深く掘ったな〜、というのも感じることができた。アナグマが近づいてくるとふわふわな毛並みが揺れ動く様を見ることができ、可愛らしい姿と穴を一生懸命に掘っている姿をまるで横で見届けているようだった。
VR映像に興味があってもVRゴーグルがないために見たことがないという方は、是非会場で8K 3D映像の180°VR映像を体験していただければと思う。
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