広大なBIRTV会場で見つけた?

毎年北京の国際展覧センターで開催されるBIRTV(北京国際ラジオ・映画・テレビ博覧会)は国際的な放送・映像機器の展示会で、今回で31回目を迎える。2024年は8月21日~24日の日程で開催された。

会場は1号館~8号館までで、全部で9つのホールと屋外展示があり、どこの会場も初日からかなりの賑わいをみせていた。映像機器はもちろんのこと、映画館施設向けのソファやポップコーンマシーン、屋外展示では中継車やカメラクレーンの展示もあった。今回、日々カメラを片手に撮影を行うざきさんが単独で北京に乗り込んでみた。女性ディレクター目線でBIRTVを取り上げてみたい!

BIRTV2024会場マップ

6年ぶりのデジカメラSONYブースに潜入調査!

展示会スタートの前日、8月20日に突如発表されたXDCAMカメラ「PXW-Z200」とNXCAM「HXR-NX800」。早速SONYブースへ行くと実機がしっかり展示されていた。

FX6を思わせるボディ。デフォルトで日差し避けのLCDフード付属もユーザーマターで感動した。menuボタンもサイドにあり、Z150ユーザーからすると本当にありがたい仕様だ。話題の2連リングだが、実際触ってみると思いのほか好印象だった。

なぜならIRIS操作の部分がほぼ左人差し指部分にあるため、3連リングの時と似たような操作感でいけそうな雰囲気。 その他気になる点はメニュー表示。シネマカメラ系と同じメニュー表示になっているため、慣れが必要だ。


オールインクルーシブ!?

中国市場の傾向なのか、スーツケース型でスイッチャーとモニターが一つにまとまったデザインのものが非常に多く見られた印象だった。ワンオペ配信や電車で移動しなければならず、荷物を極力コンパクトにしたいという時には非常に良いのではないかと思った。SDI対応のものや、PTZのコントローラー付きのものまでいろんなタイプがあった。

まだ日本での取り扱いはないようなので、近々ぜひ日本上陸してほしい商品だ。それとは別で1つだけレコーダーを紹介したい。手のひらサイズで軽く、電池でも携帯バッテリーでも稼働する。お守りとしてとりあえず持っておくという感じにはぴったりの商品で個人的には試したい一品だった。


イベント撮影にはもってこい!持ち運びが楽で機能的な一脚を探せ!

今回の展示会に行くにあたり、簡単操作が可能で、持ち運びが楽な一脚がないか?と、探していたが見つかないまま北京に来てしまったが、まさかのBIRTVで出会うことになるとは!

それが、「YC OnionのPineta Pro」だ。片手で握るだけで伸縮して、親指一つでロックのオンオフができる。ポールと雲台が簡単に着脱できるし、カーボン製のため持ち運びもしやすい。 カメラその他、荷物を持ちながら会場を撮影するにはもってこいの一脚だ。

会場でも大きな存在感のDJI。 やはりDJI Ronin 4Dが大注目

DJIといえば、ドローンでお馴染みだが、BIRTVでは、映画制作関連用のDJI Proカテゴリー製品を中心に展示されていた。中でもDJI RONIN 4Dは、リリース後しばらく経つがその存在感は大きく、やはり興味深いシネマカメラだ。RONIN 4Dは、チキンヘッドをモチーフにしているカメラで、他のカメラにはない面白い動作が目を惹く。中国を代表する企業の大きなブースに人が絶えず、多くの賑わいが見られたのも印象的だ。

滑らかに撮影ができるので小規模での撮影はもちろん、ワイヤレスでヘッド部分の操作とボディを担ぐ人と2人で一つの撮影ができるため、大規模の撮影でも活躍できる素晴らしいカメラだ。AIで被写体の顔認証をするとその人物の動作を追いかけてくれるの最新技術が為せるところだ。


総括:中国4千年の地で開催される展示会に参加して

とにかく広い会場には映像機材だけでなく、中継車や映画館施設用ソファ、ポップコーンメーカーなど多彩な展示があり、見応えがあった。9月のIBCに向けて発表を控える企業もあるようだが、BIRTVに合わせて新商品を出した企業もあり、非常に盛り上がっていた。

また、中国ならではなのか、カバン型のスイッチャーとモニターが組み込まれたコンパクトデザインが多く見受けられたのがとても印象的だった。AI技術や製品デザインの進化が止まらない中国。また来年も中国の進化を体験するためにBIRTVに参加したい!

ざきさん(tot,Inc.)|プロフィール
ディレクター / 旅人
1983年埼玉県生まれ。派遣OLの傍ら音楽活動していた生活からパンデミックをきっかけに映像業界へ転身。 撮影から配信までこなし、機材とお酒と旅をこよなく愛す。