1型センサーに8K60fps、さらに4K240fps―。GoProが投入した新ライン「MISSION 1シリーズ」は、従来のアクションカメラの常識を大きく塗り替えるスペックを掲げて登場した。

なかでも「MISSION 1 PRO」は、大型センサーと驚異的なハイフレームレートを両立した中核モデルだ。今回、発売に先がけてデモ機を試用する機会を得たので、実際の撮影を通して、メーカーが「コンパクトシネマカメラ」と銘打つ本機の実力を検証した。

1型センサーを凝縮したボディと、本格仕様のレンズ

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MISSION 1 PROは、アクションカメラとしては珍しい1型センサーを搭載。大型センサーを採用しながらも外観は従来のアクションカメラと遜色ないコンパクトさを維持している。

外観で目を引くのは、やや前方に突き出たレンズ部だ。ここにはアクションカメラとしては珍しい着脱可能なレンズフードが備わっており、フレアやゴーストを抑制してくれる。

レンズフードは向きを間違えると広角撮影で映像がケラレてしまうので注意したい。

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ハードウェアの設計で高く評価したいのが、マウントの汎用性だ。底面にはGoPro伝統の「折り畳み式マウントフィンガー」に加え、「三脚ネジ穴」や「マグネット式マウント」が標準で装備されている。ケースやアダプターを介さずとも、アクションマウントから標準的な三脚やクイックリリースタイプのマグネットマウントまで直接取り付けられる仕様は、現場での機動力を上げてくれる。

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タッチモニターは、きびきびと反応してくれて使いやすい。その昔筆者はカメラの挙動に不安を感じて、GoProから他社のアクションカメラへ移行してしまっていたのだが、今回久しぶりに使用したGoProの最新モデル「MISSION 1 PRO」では大きな改善が見られた。UIの面では他社製品よりも優れていると感じた点もあったほどだ。

例えば、背面ディスプレイのメニューをカスタマイズし、4つのショートカットボタンに好みの機能を自由に割り当てることができる仕様だ。撮影画面上のボタンをこれほど柔軟にカスタムできるのは競合製品でも珍しく好印象だった。通常ならメニューを開かなければならない機能も、本機ではショートカットに直接割り当てできる。

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4つのショートカットボタンがあり、それぞれに好きな機能を割り当てできる
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ショートカットの設定画面。「デジタルレンズ」「解像度/FPS」「ズーム」「アスペクト比」などが割り当てられているが、これを「カラー」や「露出」、「WB」など様々な設定に変更できる

さらに、フロント側にも1.4インチのLCDモニターを備えているため、自撮り時のフレーミング確認も容易に行える。

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唯一、最近のトレンドに照らして少し残念に感じたのがストレージ仕様だ。MISSION 1 PROはmicroSDカードへの記録のみに対応しており、内蔵メモリは搭載されていない。最近は予備ストレージとして内蔵メモリを持つ機種が増えているため、メディアを忘れた際のバックアップがない点は留意しておく必要がある。

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実写:既存のアクションカメラの枠を超えた解像度とハイフレームレート

限られた時間ではあったが、実際に撮影してみてわかったその性能についてもレポートしたい。

「GoPro MISSION 1 PRO」の撮影性能で特筆すべきなのは以下の2点だろう。

  • 高い解像度:8K60fps(16:9)に加え、センサー全域を使う8K30fpsオープンゲート(4:3)に対応
  • ハイフレームレート: 4Kで最大240fps、FHDでは驚異の480fps(バーストモードでは最大960fps)での撮影が可能

実際に屋外で撮影してみると、木々の緑の葉のディティールが潰れにくく、空の青も不自然に飽和しない。今回撮影に使用した「ナチュラル」カラーは、しっかりとした濃い発色ではありながらも、従来のアクションカメラ特有の“ベタっと濃い画”ではなく、自然な立体感が感じられた。 10-bitカラーにも対応しており、色表現にこだわりたいユーザーにも嬉しい仕様だ。

特に川の水面が太陽光を反射してきらめく様子を4Kの8倍スローモーションで捉えた映像は、これまでのアクションカメラでは到達できなかった描写力だと感じた。

総評:シネマカメラというより「最高クラスのアクションカメラ」

メーカーが掲げる「小型シネマカメラ」という言葉は、映像制作者への期待値を上げすぎている感もあるが、「大型センサーと圧倒的なハイフレームレートを備えたアクションカメラ」として見れば、非常に魅力的なモデルだ。

1型センサーによる美しい発色と8K撮影、アクセサリ不要でマウントできる利便性に、競合製品から抜きんでたスローモーション性能。DJIやInsta360などアクションカメラ群雄割拠の時代だが、GoPro MISSION 1 PROは異彩を放ち独自の魅力を備えている。

例えば、アウトドアの過酷な環境下で、少しでも余裕のある8K高解像度の画質が欲しい映像制作者や、スローモーション表現を重視するユーザーには強く刺さる1台だ。 多彩な映像表現を求める現代のクリエイターにとって、実用的なカメラのひとつとなるだろう。

主なスペック(GoPro MISSION 1 PRO)

  • センサー:1型 50MP
  • レンズ:F2.8 15mm~27mm(フルサイズ換算)
  • 最大解像度:8K60 (16:9) / 8K30オープンゲート (4:3)
  • スローモーション:4K 240fps / 1080p 480fps
  • 防水性能:20m

尾田章|プロフィール
カメラのある日常の楽しさを発信する"くらしフォトグラファー"。カメラ機材の使い方、写真の撮り方などをYouTube、運営ブログ「KOBE FINDER」にて"Aki"として初心者にもわかりやすく解説。