2020年9月、本編映画の撮影現場でSupreme Prime 200mmを使う佐光朗J.S.C.。林の中を動く演者たちを200mmの望遠圧縮効果で、しかも絞りを開けて捉えることによって、「従来には見られなかった映像表現に繋げられる」と話す

60seconds Shoots

「Supreme Prime 40mm T1.5」が新たに仲間入り

映像制作現場へのデリバリーがはじまったZEISS Supreme Prime 40mm T1.5(左)、同200mm T2.2(中)、同18mm T1.5(右)

ZEISS Supreme Primeレンズシリーズ「Supreme Prime 18mm T1.5」と「Supreme Prime 200mm T2.2」の出荷が開始され、またシリーズ発表時にはラインナップに含まれていなかった「Supreme Prime 40mm T1.5」が発表と同時に出荷が開始された(2020年9月より出荷開始、メーカー希望小売価格は税別2,025,000円)。

ZEISS Supreme Primeレンズシリーズ発表後、多くの現場から寄せられた「35mmと50mmの間を埋めたい」との要望に応えるべく、新たに開発されたレンズ。

35mmフルフレーム・シネマカメラにおいて、35mmレンズは水平画角55°、50mmレンズは39°。このギャップは従来、狭いスタジオセットのなかでレンズ選択に頭を悩ませる一因となっていた。ここに新たに水平画角47.4°の40mmレンズという選択肢が加わることによって、撮影部は三脚でフィックスしたカメラ位置を変えることなく、撮影対象との距離感とパースペクティブをより適切にコントロール可能となった。

40mmレンズを設計するにあたり、35mmと50mmの間なので50mmからガラスを1枚抜けばOK、というような簡単なことではなく、新規で設計をやり直す必要があったという。また、プライムレンズシリーズとして広角から望遠までの「揃い」のなかに自然に収まるような、他焦点距離との整合性も重要で、このあたりの味付けにもカールツァイス永年のレンズ作りのノウハウが詰まっている。同じシリーズで先に発売された65mmも同様で、50mmと85mmとを繋ぐ、シネレンズならではの焦点距離だという。

同レンズは劇場公開映画をはじめ、TVドラマやCM現場で「サンゴー(35mm)より一歩前に出たい」ときに重宝されると想定される。すでに9月上旬の日本導入開始直後から、映画の現場へのレンタルが開始している。

2018年からデリバリーが始まったZEISS Supreme Primeも、来春デリバリー予定の15mmを残してコンプリートとなった。日本国内でも複数の映画やドラマがSupreme Primeで撮影中されており、ラージフォーマットの映像の可能性がますます拡がっているだろう。