2013年もPRONEWSでは様々な特集記事を掲載しました。その中でも特に注目を集めた記事をピックアップ。「普段なかなか記事を読む時間がない!」という読者の方も、この年末年始、じっくり読んでみませんか?
DSMC/DSLR #3
2010年に「DSMC/DSLR」という特集を2回に渡ってお送りした(第1回/第2回)。当時はすでにEOS 5D MarkIIなどのデジタル一眼ムービーは浸透していたが、まだビデオの世界から見た一手法という視点で、どこかキワ物的な扱いだったような印象もある。新しく出現した可能性を感じる撮影手法であり、大いに魅力的だったが一過性のムーブメントというイメージも拭えないところもあった。また当時は、ソニーPMW-F3やPanasonic AG-AF105などの大判センサー搭載カメラも発表される直前で、誰しもスチルカメラの大判センサーから得られるボケ味の美しい画像=本格的な映画風の画づくりに魅了されていた時代だ。
そこにはビデオの世界の人以上に、スチルカメラマン達も魅了されている。今月の特集では、DSMCのその後ということで、あまり話題にならないスチルカメラマン側の視点から、いまこの世界で何を生まれ、どこに行こうとしているのかを覗いてみたい。
High Resolution! 2013
2013年になってデジタルシネマの様相が大分整ってきた。特に4Kと呼ばれる新しい規格が、少しずつではあるが浸透してきているように思える。すでに家電量販店などでも4Kテレビが続々と発売され、その価格も大分下がってきているといっていいだろう。実際にSONYの55インチ4Kテレビなどは40万円を切る価格で、いわゆる「1インチ1万円」というボーダーを大幅に下回る勢いだ。ようやくHDという言葉が一般に定着した時期ではあるが、いわゆるポストHDの行く先は4Kという「高解像度」の世界になりそうだ。それに伴い、デジタルシネマという映像表現が活かされる機会は間違いなく増えていくことだろう。
今回の特集では、デジタルシネマの世界を6台のカメラとともに、覗いてみようと思う。使用する6台のカメラは、 SONY PMW-F55、SONY NEX-FS700J、RED EPIC、Blackmagic Cinema Camera、Canon EOS-1D C、Canon C500である。ここではカメラ映像の比較を行うつもりではないことをご理解いただけると嬉しい。あくまでもそれぞれの個性を紹介する中で、あらゆるデジタルシネマの形を紹介していきたい。そのカメラの特徴やワークフローなどを中心に、その魅力や可能性をお伝えできれば幸いだ。
SoundScape2013
映像にとって”音”は重要な要素であることは周知の通りだが、ビデオ、CG、映画という切り口から入って来た多くの映像制作者が、実は一番不得意とする部門であり、さらに制作プロダクションにおいては、真っ先に予算を削られたり、省力化されたりする対象も”音”である。これは悲しい事実でもあり、まだまだ理解が低い部分として問題視もされている。さらに音の世界でも、映像制作のデジタルワークフロー改革によって、次第に変化が表れるようになってきた。これまでの慣例としての分業体制や担当分け、たとえば音声、PA、サウンドミキサー、フォーリー(効果音)、サウンドデザイン、サウンドエディターといった映像の音に関わる様々な分業が、仕事全体がダウンサイズすることでその境目がなくなってきた。またネットライブ配信などの新しい分野が出て、それが主要メディアと混在して、むしろ重要視されて来たことで、既存のそれぞれの現場の専門家をつなぐ、新たな役割のサウンド担当人員が必要な現場も誕生して来た。
今回の特集では、DSLRなどを主体としたビギナー向けの基本的なサウンドアプローチをもう一度簡単に紹介しつつ、音の現場で起きている新たな変化を見つめつつ、サウンドのプロ視点ではなく、あくまで現在の映像制作者の視点から、これからのサウンドプロダクションへのアプローチを今一度見つめ直してみたい。