9月にオランダ・アムステルダムで開催されるヨーロッパ最大の放送機器展の「IBC2008」では、NHKと公共放送BBC(英)そしてRAI(伊)が共同して、スーパーハイビジョンのライブ中継を行うことが明らかになった。
NHKでは2年前からIBCにて出展を試みていたが、今回は欧米のパートナーと一緒に参考出展することになった。
参考デモンストレーションとして予定されているこのライブ中継には、Siemensと、BBCの技術パートナーのCable&Wirelessが、アムステルダムの会場とロンドンを結ぶスーパーハイビジョン伝送のための基盤を提供することになっている。また、Eutelsatは、アムステルダムからトリノまでの衛星のリンクで協力する。
この実験的デモンストレーションは会期中始終行われる。日本で撮影された素材は、ロンドンに置かれたカメラで収録する中継とSIS Outside Broadcastersによりミックスされる。このライブフィードはMPEG-2で圧縮され、Cable&Wirelessが用意する超高速光ファイバーで伝送される仕組み。そして素材はまた、Eutelsatが提供する衛星トランスポンダーでトリノにあるサーバーからもオンエアされる。
会場ではNHKのスーパーハイビジョンシアターで8Kx4Kのプロジェクターで映し出される。また、EBU Villageブース(10.D21)では、衛星からダウンリンクして、コンテンツを3840×2160 ピクセルLCDディスプレイを使って放映する。また、このスーパーハイビジョンは、Eutelsat ブース(1.D59)でもディスプレイされる予定。
IBC2008では、スーパーハイビジョンに関しては9月15日の2時からセッションも開催される予定。イベントは9月11日から6日間開催され、今年も5万人を超す来場者数を予測している。
今年2月には、NHKからスーパーハイビジョンを含む技術について欧州の公共放送研究機関と連携を開始したことを発表している。内容としては、NHKとBBCでは、スーパーハイビジョン映像の高圧縮符号化技術、RAIとは21GHz帯放送衛星によるスーパーハイビジョン伝送技術についての情報公開や共同で研究を進める、というもの。
スーパーハイビジョンはNHKが始めに開発した技術だが、今はBroadcast Technology Futures group (BTF:ヨーロッパ・ブロードキャストユニオンが母体)でもNHKと情報交換を行いながら進めている、という。