
朋栄は、6月19〜20日の2日間、東京・恵比寿の本社にて「FOR-A CONNECT 2025内覧会」を開催した。
今回注目したのは、オンプレミスとクラウドにまたがるライブ制作プラットフォーム「FOR-A IMPULSE」、大規模運用に対応する新スイッチャー「HVS-Q12」、さらにLEDウォールや各種トラッキングソリューションを活用したバーチャルプロダクション環境。展示を通じて、それぞれが現場でどんな力を発揮するのか体感できた。
機能統合型ライブ制作ソリューション「FOR-A IMPULSE」

FOR-A IMPULSEは、これまで単体で提供されてきたカラーコレクターやクロマキー、スイッチャーといった製品のNodeをGraph Editorで繋ぎ合わせてパイプラインを構築可能。モニター上でNodeを自由に接続でき、視覚的(見たまま)に操作可能なUIにより、制作現場で直感的に調整が行える。

ST 2110に対応し、Hi-RDS環境内においてはNMOSを通じた外部機器との接続やリモート運用も可能。さらに、グループ化機能により、チャンネル単位で権限を管理できる。オンプレミス環境だけでなくクラウド上でも同じ構成で動作し、AWSなどのデータセンター上に展開することで、現場に応じた柔軟な運用が可能となる。




12G-SDI、NDI、Danteオーディオ対応の新ビデオスイッチャー「HVS-Q12」

HVS-Q12は、HD時に最大60入力/32出力、4K時には最大42入力/23出力に対応するビデオスイッチャー。今回の内覧会が国内初展示となった。


各MEは8キーイングに対応可能で、マルチビューアーは標準で2系統、最大4系統に拡張できる。各マルチビューアーは16分割表示に対応し、4系統すべてで異なるレイアウトが可能となっており、最大64分割相当の映像出力が可能となる。さらにマルチビューアーは日本語フォントや、デジタル時計の表示にも今回のモデルで対応している。




また、操作は本体に内蔵されたWebサーバーからブラウザ(Chromeなど)経由で行え、専用アプリ不要で設定やフォーマット変更ができる。4K対応時にはHDR/SDR変換やスケーリング機能も搭載されるなど、小型ながらも現場に必要な機能を一通り備えたコストパフォーマンスに優れたモデルとなっている。

LED/バーチャル関連ソリューション

LED/バーチャルプロダクションの展示エリアでは、Alfalite製のLEDディスプレイと組み合わせたXRシステムを展示。ジブクレーンやPTZカメラの映像をビデオスイッチャーでの切り替えを実現している。トラッキングシステムは「StarTracker Max」で、カメラセンサーユニットで天井のマーカーを認識してトラッキングデータを受け取っている。

また、グリーンバックシステムとして、トラッキングシステム「LinkBox2」(VGI製)と「KOALA」(朋栄イタリア製)を展示。LinkBox2はカメラのパン・チルト・ズームやドリーまで対応可能。KOALAはPTZのみ対応のジャイロセンサーとなっている。さらに、Unreal Engineに対応可能なバーチャルスタジオ/リアルタイムCGシステム「VRCAM-NX2」により、ビルボードやテロップなどをCG空間に出力できるほか、各種映像演出に活用できるとしている。




