映像編集ソリューションに携わっている米Silverado Systemsが、業界初のオープンソース・フィルムコンペティションを実施した。これはOpenCutプロジェクトと名付けられ、35ミリフィルムの素材と台本を提供し、参加者たちに自由に編集して1本の映画として完成してもらうもの。参加者達のレベルは問わず、国内外誰でも参加できる。
OpenCutプロジェクトの素材は、台本のもと、プロの製作クルーと役者が起用され、RED Digital Cinema社のRed Oneで撮られている。
製作スキルやレベル関係なく、参加エディター達に期限内に仕上げてもらう。試行錯誤で進める参加者たちのために、リソースやワークフローQ&Aといったものが、Redフォーラムやトレーニングオンラインで提供されている。
事実、以前からこのプロジェクトを立ち上げたかったが市場レベルの壁があった、とプロジェクトを立ち上げたSilverado Systems社の代表、Torrey Loomisは語っている。1年前と現在では映画編集環境のコストが全く違う。現在は35ミリフィルム素材をハードディスクでハンドキャリーでき、Red Oneカメラのようなコンパクトサイズで4K素材を撮影してデスクトップPCで編集できるようになった。
OpenCutプロジェクトの立ち上げは、業界初としてオープンソースから映画を完成させるだけではなく、Red Oneを起用した編集環境をプロダクションや映画産業に啓蒙したい意図がある。
OpenCutの最初のプロジェクトは”Susannah”。Salton Seaがロケ地として選ばれ、Evan Nicholas監督のもと、スタントマンのBen BrayやJohnny Bogrisが出演している。Bogrisは”NYPD Blue” や”End of Days”に過去出演したことがある俳優。この素材は160GBで納められている。
このコンペティションで受賞した応募者には、AJA Io HDや賞金が与えられるほか、応募者作品を4K解像度でDCP(Digital Cinema Package)として仕上げてくれ、国内外のフィルムフェスティバルへ自動的に応募対象となる。
“Susannah”の参加応募は既に終了しているが、今冬に向けてOpenCut プロジェクト1.1が進んでいる。