米ロス・アンジェルスに拠点を置く、ポストプロダクション・ハウスのPlasterCITY Digital Post(PlasterCITY)は、パナソニック社製の2Kプロセッサ「AJ-HDP2000」を導入し、デイリーからフィニッシングまで、映画やテレビ映像編集のワークフローの能率化を図っている。
「AJ-HDP2000」は、D-5 HD マスタリングVTR専用のデータプロセッサ。通常、テレシネシステムと一緒に使われ、フィルム解像度(2K)やHD解像度の素材をD-5 HD VTR で記録できるようにデータ化する。
PlasterCITYでは、AJ-HD3700H、AJ-HD3700AやAJ-HD3700BといったD-5 HD VTRを揃えており、12ビット4:4:4サンプリングの2048×1080素材やHD素材を取り込んで編集をしている。
2KプロセッサとD-5 HD VTR をデュアルリンクHD-SDI経由で接続。D-5 HDテープはフル2K解像度で記録できる唯一のメディアである。
2Kプロセッサは、最終マスタリングステップで使われており、D-5ビデオテープに記録すると同時に、マスタリング、編集、アーカイブや施設内のほかのシステムでのデータ使用など、データのインターチェンジに役立っている、という。
PlasterCITYでは、140テラバイトのSANストレージを中核に、独自の非圧縮HDIワークフローを確立している。2Kプロセッサ導入前では、DPXファイルとしてコンテンツを一度サーバに記録し、それをノンリニア編集システムで取り込み、編集を行っていた。このプロセスだとサーバ側の帯域制限のため、リアルタイムで取り込みや編集作業ができず、時間のロスが発生していた。
DPXファイルで処理を行う場合、ファイルのレンダリング処理およびLTO(Linear Tape-Open)システムへの転送という過程が発生し、クライアントとその場で編集作業を行うことは不可能に近い。導入後の新しいワークフローならば、編集の際の変更箇所もリアルタイムで処理でき、クライアントを待たせずに目の前で作業を行うこともできる。