米Cinnafilm Inc(Cinnafilm社)は、8月より、マルチフォーマット変換プラットフォームの「Cinnafilm HD1(HD1)」の出荷を始めている。HD1は、フィルムシュミレーションや、自由にフレームレートを変換することを得意とするプラットフォームで、今春のNABで一般公開された。
システムに搭載された、パラレル・グラフィックプロセシングのパワーにより、レンダーファームの力を借りなくても、シングルワークステーション下で双方向のフォーマット変換や現像シミュレーションをリアルタイムで実現することができる。あらゆるデジタルフォーマットのビデオソースフッテージを即座にリアルなフィルム・ルックスの画像に変換することができる、という。
HD1のフォーマット変換プラットフォームは、現在同社が特許申請している並列処理エンジンで行われ、搭載している3Dグラフィック・ハードウェアのパワーで通常のCPUよりも30倍から100倍速までの処理速度を上げることができた、という。
HD1はSDから10ビット4:4:4非圧縮まで対応し、アップ/ダウン解像度変換、フレーム変換もプログレッシブやインターレースでも問わず無制限で行うことができる。そして独自のInfiniFrameでは、双方向の処理間で、ピクセル毎にモーションベクトル補正をすることでフレーム劣化を防ぐことができる。この仕様はスーパースローモーション(100倍減速まで)へも対応することができる。
そのほかの特徴的な機能では、シンプルなタイムライン形式のユーザ・インターフェースやカラー調整を始め、Los Alamos National Laboratories (LANL)と共同技術開発されたKodak Visionシリーズのプリセットが組み込まれている。LANLと現在共同開発されているモーショントラッキングとスーパー解像度への対応は来年2009年の春の予定。