92年にロサンジェルスで開催された夏季オリンピックは、米国民にとって観なければならない必須の放送番組であった。その後、国民の関心はトーンダウンしてしまったかのようにテレビの視聴率は下がる一方であった。しかしここにきて北京オリンピックはHDTVでの放送に加え、ケーブル、インターネット、モバイル放送といったあらゆる新しい技術での放送手段を通して、史上最高視聴率を取得したという。
NBCでは、オリンピック開始から5日間で、平均3憶1300万人の視聴者数を獲得した(アテネオリンピック比:5500万人)。
ミルウォーキー市のWTMJ-TV(チャンネル4)では、平均視聴率が18.5%、16万4千世帯が放送を観た記録がでた。これもアテネやシドニーオリンピックの時よりも遙かに超えた数字である。
NBCでの今回の高視聴率を招いたものは、インターネット配信による、試合のハイライトを放送だったという。勿論、アメリカ国民の北京オリンピック自身への興味が一番の要因であることは間違いない。始めの週は、オリンピックの開会式をはじめ、マイケル・フェルプス選手が史上最多8冠達成した水泳や、好成績を残した女子体操があったからかもしれない。
先週の視聴率を今週(大会2週目)も保つことができるかは難しいとされている。日本での世帯視聴率(NHK総合)は開会式で37.3%(ビデオリサーチ社調べ)でやはり過去最高の記録となっている。アテネの開会式は12.8%だった。