財団法人しまね産業振興財団は、島根ユビキタス特区において、日本初となる地域マルチキャストシステムの運用とデジタルサイネージ向けの情報配信の実験を開始した。

財団法人しまね産業振興財団では、現在急速に普及が進んでいるデジタルサイネージについて、県内中小企業が広告や販売促進などで簡単に利活用することができる方法について調査研究を行っている。今回は、ホワイトスペースとして活用が期待されているUHF周波数(現在、島根ユビキタス特区ではUHF62chを使用)を利用して、地域マルチキャストシステムの運用およびデジタルサイネージ向けの情報配信を、2010年1月20日から1月28日まで行う。

情報配信システムには、MediaFLOの技術を採用し、島根ユビキタスプロジェクトにおいて実験試験局の免許を取得している株式会社メディアスコープが運用サポートを行っている。このMediaFLOを使った地域マルチキャストシステムや、クリップキャスト機能を使ったデジタルサイネージ向け情報配信としては、世界初の実証実験だという。

デジタルサイネージ表示端末は、日本サムスン株式会社の液晶ポスター表示システム「ハルヱとケイジ」32インチを8台、24インチを 2台、7インチの小型デジタルフォトフレーム10台の合計20台を使っている。

設置場所については、地域住民が日常生活で往来することが多いスーパーを地域コミュニティの場ととらえて、実験対象地区にある地元スーパーである「みしまや学園店」の協力を得て、買物客など幅広い年齢層に向けて情報配信を行っている。

配信するコンテンツは、広告・販売促進関連の情報だけでなく、行政情報、地域のイベント情報、地域の歴史情報など、広告情報と地域情報を組み合わせた総合的な地域チャンネルになる。

デジタルサイネージからモバイルサイトへの誘導の検証を行うため、フェリカポケットマーケティング株式会社のリーダー/ライターを活用。サイネージを見た視聴者が携帯電話をこれにかざすことで、モバイルサイトへの誘導を図り、アクセスログの解析を行う。