パナソニック株式会社(大阪府門真市)は、来る4月12日から15日まで米国ラスベガスで開催される全米放送機器展「NAB Show 2010」に出展する新製品について発表した。同社は昨年のNABで、業務用でも3D市場に対応する製品をラインアップしていくとアピールしており、今年はそれに応えるように、3D関連製品の実機が登場する。
今回発表された新製品の1つは、3Dカメラ映像のスイッチングにも対応するローコストなHD制作をサポートする業務用デジタルAV ミキサー「AG-HMX100」。本製品は、コンパクトなボディにHD/SD デジタル映像スイッチャーと音声ミキサー、フレームシンクロナイザー、デジタルエフェクターの機能が備わっているほか、WFM表示も可能なマルチビュー機能、プロジェクター制御機能など多彩な新機能が搭載されている。
また、3DカメラからのデュアルSDI入力信号のスイッチングにも対応できるので、複数の3Dカメラと3Dプロジェクターシステムとによる組合せで、3Dライブスイッチングシステムといった構築も可能になる。AG-HMX100は、2010年6月より発売される予定。価格は672,000円(税抜:640,000円)。
そして、今年の秋に発売される新製品、業務用25.5型3D LCDビデオモニター 「BT-3DL2550」は、25.5型フルHD広色域LCDパネルが採用されている。10ビット画像処理と3次元LUTによる高い動画画質を実現、「サイマル(デュアルSDI)」「ライン・バイ・ライン」「サイド・バイ・サイド」といった3種類の3D映像入力方式に対応。
「Xpol(エックスポール)」偏光フィルター採用により、偏光メガネを介して3D映像の確認ができる(偏光メガネは本体に2個付属して販売される)。リグ型3Dカメラシステムだと撮影前に光軸ずれを補正する必要があるが、BT-3DL2550には、それらをサポートするさまざまな殊表示機能(オーバーレイ表示/ハーフミラー表示/H位相可変機能)が備わっている。
NABでは、パナソニックブース(Central Hall C3712)で、このBT-3DL2550技術サンプルが展示される予定。パナソニックは、今回発表した3D制作環境に対応する新製品に加え、今年1月のCESで発表した史上初の一体型二眼式フルHD 3Dカメラレコーダーを合わせて商品化することで、ハイクオリティな3D映像を効率的に制作できる環境を整え、3D映像制作の活発化を促進していくという。
コンシューマー側のソリューションも、ブルーレイディスクとプラズマテレビを核とした家庭用3Dシアターシステムを提案しており、同社は、3D制作から観賞まで3Dワールドの実現に積極的に取り組んでいく。
その他に発表された新製品には、ワンスロットタイプで小型・軽量な新型「P2 ドライブ」AJ-PCD2Gがある。30MB/sの高速転送速度を有し、PC カードスロットの無いノートPCやMacBookでも、「P2HD」シリーズのカメラレコーダーで収録された映像の編集ができる環境が実現する。AJ-PCD2Gは2010年4月に発売される予定。価格は39,375円(税抜:37,500円)。
また、同社はPCカードのデータをリムーバブルSSDに高速コピーできるモバイルストレージユニット「AG-MSU10」を2010年10月に米国で発売することも発表した(国内販売については未定)。
AG-MSU10は、小型軽量・堅牢デザインのP2カードドライブ1基とリムーバブルSSDを実装したフィールド用ストレージユニット。バッテリー駆動が可能で3.2型ワイドLCDパネルを装備し、撮影現場でも簡単操作でP2カードの収録データを、内蔵のP2ドライブから内蔵SSDに最大約50MB/sの高速コピーする。
さらにeSATAインターフェースを装備し、外付けのHDD(hostモード)、PCやノンリニア編集システム(deviceモード)に高速転送が可能。「P2HD」シリーズの制作環境を充実させる製品として、高速・高効率・高信頼性のファイルベース制作を実現するという。