ESPN 3D チャンネルが6月10日の2010 FIFAワールドカップオープニングを皮切りにサービスインした。米コネクチカット州ブリストルにあるESPNスタジオの13棟に新設した3Dマスターコントロールから放送されている。

現地時間6月10日に始まった2010 FIFAワールドカップ試合は、Host Broadcast Services(HBS)プロデュースのもと、DirecTV、ComcastとAT&T U-verseから3D放送された。また、ブリストルのスタジオでは、サムソン製72インチDLP(アクティブ3D眼鏡装着)とHyundai製50インチTVセット(パッシブ3D眼鏡装着)を設置してスクリーニングも行なわれた。サッカースタジアムでの収録は、既存のカメラ配置から行われたが、3Dによる選手達の距離感やスピード感は3Dテレビ観戦者でも大いに楽しめたという。

現地収録は622Mbps帯域を持つファイバー経由でESPNスタジオへ転送され、次に左右眼用のストリームはMedia Xtreme経由で1080i/50Hzから59.94Hzへアップコンバートした個別のチャンネルとしてDirecTV、ComcastとAT&Tへ伝送された。

ESPN 3Dのマスターコントロールでは、Pixel Power製のプロダクションスイッチャとグラフィックスおよびAbekas製のMiraプロダクションサーバにより3Dコマーシャルや番組を再生している。またフィニッシングとポストプロダクションには、クォンテル製のPabloシステムを使っている。ESPNによると来年度には、2D、3D伝送フォーマットをMPEG-4にシフトするという。

ワールドカップはESPNがプロデュースしなかったが、7月には、カリフォルニア州アナハイムで開催される「ホームラン・ダービー」とロサンゼルスで開催される「サマーXGames」をESPNがプロデュースして3D放送する予定となっている。