総務省は、フィリピン共和国電気通信委員会(NTC)がフィリピンにおける地上デジタルテレビ放送方式の規格として日本方式のISDB-T方式を採用する規則に署名したと発表した。フィリピンは、日本以外のアジアで最初にISDB-T方式を採用する国になる。

総務省は、フィリピン政府等関係者に対し、日本方式の採用に向けた働きかけを継続して行ってきた。今回の採用の決定は、ハイビジョン放送と同時に移動端末向け放送サービス(ワンセグ)が提供可能であること、干渉に強く移動中の車内や山がちな場所においても良好に受信ができることなどの評価による。総務省は、関係省庁および関係機関と連携のうえ、フィリピンにおける日本方式の円滑な導入に向けて、技術協力や人材育成などの支援の実施を予定しているという。

フィリピンの採用決定以外に中南米では、ブラジルが2006年に、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラが2009年に、エクアドル、コスタリカ、パラグアイが2010年にISDB-T方式採用を決定しており、ブラジル、ペルー及びアルゼンチンではすでに放送が開始されている。