米カリフォルニアで開催された「D: All Things Digitalカンファレンス(D9)」の中盤に米Microsoft(マイクロソフト)のWindows/Windows Live部門担当社長、スティーブン・シノフスキー氏が登壇し、開発中の次期WindowsOS「Windows 8」を初披露した。Windows 8は現在コードネームであり、今後正式名称が発表されるという。
披露されたWindows 8は、タブレットのようなタッチ操作を前提とした、Windows Phoneで採用している「Metro UI」ライクの新しいインターフェースを持ち、Internet Explorer 10がWindows 8の一環として実装される。起動画面はロック画面からと、従来のWindowsと全く違うものになっている。新インターフェースでは、” Snap(スナップ) ” で並列操作に対応、マルチタスクもスムーズに行える。Windows 8アプリの切り替えは画面をスワイプするだけだ。文字入力の際には画面にソフトキーボードを表示する。このタッチユーザーインタフェースと既存のWindowsユーザーインタフェースは簡単に切り替えられるようになる予定で、従来のWindowsアプリとUIもサポートする予定となっている。Windows8アプリの開発については同社の発表文に、HTML5ネイティブ対応で、JavaスクリプトとHTMLで開発可能だと説明されている。
対応エンジンについては以前にARM互換性(Nvidia、Texas Instruments、Qualcomm)を発表しているが、今回のデモで使用したのはインテルベースのPCであったように「SoC」プロセッサにも対応する。ARM版のWindows 8は、台湾で開催されたComputexにて公開された。シノフスキー氏は、「iPadは、タッチファースト・インターフェースにアプリ中心のメカニズムと、既存の開発者にとって全く新しいビジネスモデルとなった。しかし我々のほうは、20年以上続いたWindowsの世界を変えることなく、従来のWindowsプログラムとの互換性を保ちながら進んでいく」と説明している。
マイクロソフトは今回の発表に合わせ、Windowsユーザーエクスペリエンス部門を担当するディレクターのジェンセン・ハリス氏がWindows 8の新ユーザーインタフェースを解説する動画をYouTubeにて公開している。さらに米ウォールストリート・ジャーナル(オンライン)の6月1日の記事によると、米マイクロソフトは、Windows OSを利用したタブレットの製造を認めるハードウェアメーカーの数を当初は制限する計画だと、事情筋が明らかにしたことを伝えている。