カナダ・バンクーバーで開かれるSIGGRAPH2011で併催される恒例のコンピューターアニメーションフェスティバルでは、今年は77作品が選ばれた。44カ国から891作品もの募集があったという。
その中で最高賞「BEST IN SHOW AWARD」には、米Moonbot Studiosによる「The Fantastic Flying Books of Mr. Morris Lessmore」(上画像)が選ばれた。同作品はiPad用の電子書籍アプリとしてリリースされ、今回の賞以前にも多数の賞を受賞している。アニメーションだけではなく、ミニチュア、2Dといった様々なテクニックが使われている。
「JURY AWARD」には、ポーランドPlatige Imageのアニメーション映画「Paths of Hate」。 今年のアヌシーフェスティバルでもJURY AWARD(Special Jury Award)を受賞した作品である。盲目の憎しみによって駆り立てられた二人のパイロットが、彼らの飛行機でお互いを追いかけ、狂気の不可解なメッセージを大空に書く。JURY AWARDのノミネート作品には、The Monk Studiosの「Escape of the Gingerbread Man!!!」とframeboXの「The Experience of Fliehkraft」が並んだ。「BEST STUDENT PROJECT PRIZE」にはドイツThe Konrad Wolf Potsdam-Babelsberg Film and Television Universityの「Flamingo Pride」が受賞した。
コンピュータアニメーションフェスティバルで選ばれた作品は、SIGGRAPH会期中に常時上映される。また今年は「RealD Presents 3D Day」と題したRealD主催の立体映画のセッション(終日)が開かれる。3ality社やディズニー「Lion King」の制作現場からのエキスパートが3D制作について紹介する講演を予定している。
コンピューターアニメーションフェスティバルは1999年以来、アカデミー賞に認定されたイベントとして活動しており、当フェスティバルで賞を獲得した作品は、アカデミー賞のショートアニメーション部門で受賞した実績がある。