米国の動画オンライン配信サービス「Hulu」が現地時間の8月10日、同社初の海外展開計画として、日本で展開することを明らかにした。

この発表は公式ブログにて国際部の上級副社長のヨハネス・ラーチャー氏が行ったもので、日本で提供されるのは有料サービスのみで、PCをはじめマルチスクリーンで視聴できるようになるという。米国では基本は無料サービスのHuluだが、昨年には月額$7.99の有料サービス「Hulu Plus」という、プレミアムコンテンツと視聴可能なプラットフォームを追加したサービスも開始されている。

日本を海外進出の最初の国とした理由と目的として、ブログには”日本は素晴らしい国「Nihon wa subarashii kuni desu」”と挙げ、次のように述べられている。

「日本の視聴者はプレミアム動画コンテンツへの関心が大変高く、その結果、日本は世界に通用するテレビ番組や映画を数多く生み出しています。(日本で制作されたコンテンツはずいぶん前からアメリカHuluで人気を集めています。)また日本には、ハリウッド映画や海外ドラマの分野において、未開拓の市場ニーズがあると考えております。その上、ブロードバンドの普及率の高さ、スマートフォンやインターネットに接続されたデバイスの浸透率、消費者の高い購買意欲など、当社のようなサービスを提供するにはとてもいい環境が整っているのです」

Huluは既に東京にオフィスを開設しており、企画と運営にあたる専門チームが年内のサービス開始に向けて最終調整を行っているという。日本版のサイトも公開されており、メールアドレスを入力すると後日サービスの詳細が送付される。

Hulu LLCは2007年にディスニーやFoxなど大手メディアが出資して始まったネット・ベンチャー。 株主であるNBCやABC、Foxの人気ドラマを再放送することで人気が高まった。2011年6月末の統計によると、有料会員数は87万5000人(フル視聴者数は2670万人と言われている)で、今年の売り上げは5億ドルを越えると予想されている。ただし、6月に入ってから株主達による「Hulu売却」が進められており、米Apple社が売却先として有力候補に入っている。