オンデマンドの音楽サービスRhapsody(ラプソディ)は10月3日、米家電小売大手Best Buy(ベスト・バイ)社の音楽サブスクリプションサービス事業であるNapster(ナップスター)を買い取ることを発表した。ラプソディとベスト・バイ間の取引の詳細は明らかにされていないが、11月末までにラプソディに引き渡されるという。
ナップスターは1999年にP2P技術を用いた音楽を中心とするファイル共有サービスを開始したが、著作権を無視したファイルのやり取りが行われるプラットフォームということで、全米レコード工業会(RIAA)などから提訴され敗訴。Roxioに破産オークションでブランド資産を吸収された。その後、ベスト・バイに2008年、1億2100万ドルで買収されている。
ナップスターは、Spotify (スウェーデン)やPandoraのようなストリーミングサービスの登場で人気は下落、ベスト・バイに買収された2008年当時は70万のサービス加入者数があったのが、現在は20万~30万までになっているという。
ラプソディはナップスターの加入者とサービスラインを吸収することで事業規模の拡大を図る。過去RealNetworks傘下であったが、Realと米Viacom / MTV Networksの合弁会社となり、2010年にスピンオフしている。ラプソディは約1200万の音楽タイトルをデスクトップからモバイル携帯まで配信しており、加入者数では全米最大という。この8月にはMetroPCS社と事業提携をしてAndroid携帯を使っている加入者にラプソディのライブラリから音楽が無制限で入手できるサービス「Music for All」を始めている。