米ウォールストリート・ジャーナル(オンライン)によれば、ソニーがニュースコープ(NewsCorp)やコムキャスト、NBCユニバーサルやディスカバリー・コミュニケーション社へ、番組チャンネルを同社のインターネット接続内蔵の家庭用製品にバンドルする提案をしているという。計画が実現すれば、消費者はソニー製のPS3やブルーレイ・プレイヤー、インターネットTVを持っていれば、コムキャスト、タイムワーナーやケーブルビジョンといったケーブルサービスに加入していなくても、安い値段で番組を見ることができるようになる。

ただ同社の計画は、コンテンツ配給社がコムキャストのようなプロバイダーとの関係を切り離すことを促し、それに対するコンテンツ配給社のコスト懸念が伺えるという。

ソニーは、米国でPS3ゲーム機を約1810万台、またインターネット接続を持つブルーレイ・プレイヤーやテレビは同等の台数を出荷しており、同社が向かっている市場ポテンシャルは、サービスプロバイダーを雲隠れさせるものとして懸念されている。

似たようなケースとしては、衛星放送サービスDish Network社の会長、Charlie Ergen氏が直々語ったこともある、同社がインターネット経由でも番組を提供するという、ハイブリッドなサービスを計画してことも上げられる。Dish Network社と2008年に分立したEchoStar社でも、OTT市場に目を向けている。同社は、今年1月に米Move Networksを約4500万ドルで買収し、ライブストリーミングやビデオオンデマンドのコンテンツ配信に有利なアダプティブビッドレート技術を取得、来年春にはOTTビデオサービスを開始するという。 グーグルもカンザスシティ地域(ミズーリ州およびカンザス州)で光ファイバープロジェクトを進めており、ペイTV(有料TV)サービスを始めるという最近の噂もある。

「我々は、サービスベースへシステムが変わっていく展開を次期の進歩として見做している。ケーブル、ファイバー、DSLといった基盤をもっていれば、データサービスに伴うビデオ配信サービスはクラウドベースで提供していく」と、EchoStar社のセールス&マーケティング担当副社長のMike Hawkey氏は語っている。

(山下香欧)