Blackmagic Designは、先日ロンドン中心部にあるフリーメイソン・ホールを拠点として開催されたロンドン・ファッションウィークで、制作会社のBrightonartが「ATEM 1M/E Production Switcher」を中心とした包括的なAVコントロールソリューションを構築したことを発表した。これは、ボクソール・ファッション・スカウトのステージキャプチャーとして使用された。

ボクソール・ファッション・スカウトが期待をよせたのは、Brightonartが制作するキャットウォークビデオだ。Brightonartは、Blackmagic DesignのATEM 1M/E Production Switcherを使用し、2台のSony PMW-EX1で撮影されたHD-SDIのライブスイッチングをした。そのプログラム出力は2台のSSDレコーダーでキャプチャーされ、「HyperDeck Studio」でバックアップ用に非圧縮10bitを収録、別のレコーダーでDNxHD、ProResをマスターファイルとして収録。信号の分配には、エンベデッドオーディオに対応した「Multibridge Pro」が使用された。またATEM 1M/E Production Switcherは、デザイナーの希望によりステージの後壁に投影する静止画/動画グラフィックのループにも使用され、スイッチャー側のAux出力が不足していたが、Resolume Avenue VJソフトウェアを搭載したPCを使用することで解決したという。BrightonartのMark Scarratt氏は次のようにコメントを寄せている。

「ATEM 1M/Eでライブスイッチングした出力はSSDレコーダーに送られ、そのファイルはProResフォーマットでSony Vegasへ直接送信されました」

「その後、オーディオチェックをして、必要があればミキシングを行い、最後にマイクから拾った会場の拍手を加えました。その後、タイトルとグラフィックをインサートし、フッテージをH.264に高速変換してウェブにアップしたのです」

フリーメイソン・ホールのメインステージから離れた場所からのリモート作業には「ATEM Television Studio」が使用された。第2コントロールルームで使用するポータブルAVソリューションとしてのニーズを満たしていたという。

「小規模な第2ホールには、メインの設備と同じ設備を設置するだけのスペースがありませんでした。しかし、柔軟性のある Television Studioを使用することで、追加のショーを担当するストリーミング会社に高品質のHD-SDIビデオを急遽提供することが可能となったのです。これは彼らの期待を大いに上回るものでした」

「ロンドン・コレクションが開催されていた6日の間に、私たちは30以上のキャットウォークを撮影、編集しました。Blackmagic Designの1080/50iワークフローのおかげで、フッテージのポストプロダクション作業を最小限に抑えることができました。各ショットは、終了してから2時間以内にHDでオンライン配信されたのです」