ついにXDCAM HD422シリーズにハンディタイプ
XDCAMは放送局の報道をはじめとして幅広く普及しているが、XDCAM HD422シリーズのカメラとしてはショルダータイプしかなく、ハンディでの収録としてはXDCAM EXがその役割を担っていた。XDCAM HD422シリーズで運用している現場では後処理などでフォーマットの統一が望まれており、より小型なカメラとしてPMW-100が開発されたという。これにより、取材や記者カメのほか小型軽量なため女性カメラマンやドキュメンタリーやディレクターカメラとしての用途が見込まれるという。
レンズリングは1つでフォーカスとズームは切り替え式。操作部分は比較的シンプルだ
2基のSxSスロットを備えている。バッテリーはPMW-EX1Rと同じ14.4Vタイプを採用している
PMW-100に特徴は何と言っても小型軽量なことだ。撮影時の質量は1.8kgとPMW-EX1Rの2.8kgよりもはるかに軽い。実際に手に取って撮影してみてもハンドリングは非常に改善されており、撮影しやすいカメラとなっている。これで、XDCAM HD422の50Mbpsに対応しており、PMW-500などのHD422との混在撮影などでも統一したクオリティで撮影することができる。ただ、撮像素子はPMW-EX1Rが1/2型なのに対してPMW-100は1/3型(1/2.9インチ)なので、このあたりが両者の棲み分けとなりそうである。
記録フォーマットはMPEG HD422 50Mbpsのほか、MPEG HD(HD420 HQ)やDVCAMにも対応しているが、MPEG HD422 50Mbps記録時はPMW-500のようにProxyには対応していない。
こうしたハンディカメラは機動性が要求される現場での運用が多いと思われるが、最大15秒のキャッシュREC機能やナイトショット機能のほか、電源ONから実際に撮影できるまでの機動時間が高速になっている。デモでは約4秒ほどで撮影体制になった。このあたりはスペックには表れないが実際に使用するうえでは重要なことだ。
さて、機動性が要求されるこうした用途では狭い場所での撮影や自分撮りなどもよくおこなわれるが、最短撮影距離は広角時約10mm(望遠時約800mm)で充分だがワイド端が40mm(35mm換算)となっており、ワイドコンバーターなどが必要になりそうなのはちょっと残念なところだ。
記録媒体は当然SxSで、2基のスロットを備えており、アダプタータイプのものも使用可能だ。ただし、SD/MSアダプターを使用した場合はFATモードのみの記録となる。LCDモニターはPMW-EX1Rとよく似た構造のものだが、123万画素(852×480×3RGB)の3.5型を搭載しており、シビアなフォーカスをサポートしている。
主な仕様
- 撮像素子:1/2.9型”Exmor” CMOSイメージセンサー 単板式、有効画素数1920×1080
- ゲイン:-3、0、3、6、9、12、18dB、AGC
- レンズ:5.4~54mm (35mm換算 40~400mm)F1.8~F2.9
- 手ブレ補正:レンズシフト方式、ON/OFF 可能
- 入出力端子:SDI OUT (HD-SDI/SD-SDI切り替え可能)、HDMI、VIDEO OUT(HD-Y/COMPOSITE)/GENLOCK IN(VIDEO OUT/GENLOCK IN切り替え式)、A/V OUT(AVマルチコネクター)、i.LINK IN/OUT、TC IN/OUT、USB(ミニType B端子)
- 表示部:0.24型ビューファインダー(アスペクト比 16:9、392×224)、3.5型LCDモニター(アスペクト比 16:9、852×3RGB×480
- メディアスロット:ExpressCard/34×2
- 外形寸法:167×164×278mm (突起部含まず)
- 質量:約1.5kg (本体のみ)、約1.8kg (レンズフード、アイピース、BP-U30、SxSメモリー1枚含む)
- 電源:DC12V(11.0~17.0V)、約12W(記録時、VF[ON]、LCDモニター[OFF]、I/Oセレクト[OFF]時)
- 記録フォーマット(UDFモード/MXF):MPEG HD422(HD422 50)、MPEG HD(HD420 HQ),DVCAM
- 記録フォーマット(FATモード/MP4):MPEG HD(HQ)、MPEG HD(SP)、 DVCAM
- 発売:2012年5月10日
- 価格:409,500円(税抜価格390,000円)
URL:http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201204/12-048/