発表されたばかりのD3200を手に持つニコンイメージングジャパンの取締役社長、五代厚司氏

ニコンとニコンイメージングジャパンは4月19日、東京都内でプレスイベントを行い、エントリー向けのデジタル一眼レフカメラ「D3200」、Wi-Fiモジュール「Wu-1a」、広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」の3つを発表した。今年3月にフラグシップモデルの「D4」と「D800」、4月に「D800E」と上位機種をリニューアルしてきたニコンだが、春の新製品には高画素、小型軽量を実現したエントリー機種を投入してきた。

エントリー向けながら2400万画素を実現したD3200

約2400万画素にD4と同一の画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載したD3200

約2400万画素にD4と同一の画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載したD3200

D3200は、有効画素数約2400万画素のDXフォーマットCMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載したエントリー向けのデジタル一眼レフカメラだ。ニコンのエントリー層向けデジタル一眼レフカメラは現在、14.2メガピクセルのD3100と16.2メガピクセルのD5100がリリースされているが、そこに2400万画素のD3200が加わる形だ。2400万画素というと単純に画素数だけ比較するならば、先日キヤノンが発売したのEOS 5D Mark IIIの約2230万画素を上回ることになる。また、フラグシップモデルのD4と同じ画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載して、ISO100から6400まで対応しているのも特徴だ。

有効画素数が約2400万画素のニコンDXフォーマットCMOSセンサーを搭載

有効画素数が約2400万画素のニコンDXフォーマットCMOSセンサーを搭載

フラッグシップモデルのD4と同一の画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載することで、人物の肌色のより忠実な再現やダイナミックレンジの拡大、アクティブD-ライティング時の色再現性を向上させてい

フラッグシップモデルのD4と同一の画像処理エンジン「EXPEED 3」を搭載することで、人物の肌色のより忠実な再現やダイナミックレンジの拡大、アクティブD-ライティング時の色再現性を向上させている

同時に発表されたワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」を使用することで、Android2.3系のスマートフォンやAndroid 3.x系のタブレット端末などのスマートデバイスへの画像転送が可能というのも大きな特徴だ。「WU-1a」をD3200本体に接続し、「Wireless Mobile Adapter Utility」をインストールしたAndroid対応のデバイスに無線LANで接続すると、自動でD3200の撮影画像がスマートフォンに転送される。多人数で写真を見せ合いたい場合に、便利な機能だ。また、スマートフォンからD3200を操作して、撮影することも可能だ。ライブビューの様子や顔認識機能の状態もスマートフォンから確認できるので、遠隔操作での撮影が非常に楽になる。iOSデバイス対応は、今秋を予定している。

ワイヤレスでスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスへの画像転送が可能になるワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」

ワイヤレスでスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスへの画像転送が可能になるワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」

D3200は、「Dムービー」と呼ばれる1920×1080/30pのフルHDの動画記録機能を搭載している。シャッターボタンの隣に動画撮影ボタンを搭載されていて、ここを押すことで動画撮影をすぐにスタートできるようになっている。最長記録時間は約20分で、映像圧縮方式はH.264/MPEG-4 AVC、ファイル形式はMOV、撮像感度域はISO 200~6400、ISO 6400に対し約1段(ISO 12800相当)の増感も可能だ。シャッタースピードとISO感度のマニュアル設定も可能なほか、外部のステレオマイク端子を搭載しているので、ステレオマイクロフォンなどを接続して使用することも可能だ。

グリップには専用の動画撮影ボタンが用意されており、押すだけで動画記録をスタートできるようになっている

グリップには専用の動画撮影ボタンが用意されており、押すだけで動画記録をスタートできるようになっている

D3200の実機を実際に見てみると、とにかく小さくて軽いのに驚く。1800万画素のキヤノンのEOS Kiss X5や2400万画素のソニーの「α65」といった競合機種と比較しても、さらに小型軽量を実現しているのも特徴だ。

市場実勢価格は、D3200が8万5,000円前後、D3200 18-55 VRレンズキットが9万5,000円前後、D3200 200mmダブルズームキットが12万円前後、ワイヤレスモバイルアダプター「WU-1a」が5250円。発売日はすべて5月下旬を予定している。

先日発売されたばかりのD800EとD3200の大きさを比べた様子。実機を手にとって見ると予想以上に小型軽量なのに驚く

先日発売されたばかりのD800EとD3200の大きさを比べた様子。実機を手にとって見ると予想以上に小型軽量なのに驚く

ニコンFXフォーマット対応の広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」

開放F値1.8という明るさやナノクリスタルコートを採用したAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

開放F値1.8という明るさやナノクリスタルコートを採用したAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G

ニコンのFXフォーマット対応レンズに「AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G」が加わる。特徴は、F値1.8の明るさを実現していることやナノクリスタルコートを採用していることだ。ナノクリスタルコートとは、レンズ斜めから入射する光に起因するゴースト、フレアに対しても効果があるニコンのレンズ反射防止コーティングのことだ。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gは映像業界でも注目されそうなスペックを備えた単焦点レンズだが、レンズシリーズはGタイプなのでレンズ本体に絞りリングが存在しない。ニコン以外のボディで使用したい場合は対応できないなど、注意が必要だ。

価格は9万3,450円。発売日は5月下旬を予定している。

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gの登場によってニコンFXフォーマット対応レンズのラインナップがさらに充実した

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gの登場によってニコンFXフォーマット対応レンズのラインナップがさらに充実した