ライブグラフィック生成技術で知られるイスラエルのオラッド社は、NABにて新しいプロダクションサーバ「VJ」を一般初公開した。

最大8系統の入出力を持ち、内部ではDVCPROおよびDNxHDネイティブコーデックで記録し、エキスポートにMXF(Op-Atom)またはQuickTimeでラッピング処理をして転送する。ネイティブフォーマットで内部処理をしているためエディター側とも親和性が高く、汎用エディターはほぼ全て対応している。同社ブースでは、Avid Media ComposerとApple Final Cut Proを使っていたが、ニア・リアルタイムでエディター側にクリップを受け渡していた。

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ストレージ容量は、100Mbpsで60時間、最大180時間まで拡張が可能である。サーバからは2台のディスプレイにイーサネット経由で接続でき、1台はマルチプレビュー、もう1台をユーザーインターフェースとして使える。ユーザーインターフェースでは、8台のVTRをコントロールするようなユーザーインターフェースで、登録されたクリップをドラッグアンドドロップしてプレビュー操作ができるようになっている。入力ソースはギャンギングにより、8台のカメラアングルを切り替えるようにしてチャンネルを使うことができ、2チャンネルごとにギャンギングすればフィル+キーという再生もできるようになっている。JVは1RUタイプで最大2チャンネルのモデルと3RUで最大8チャンネルのモデルが用意されている。

またブースの全面には、GVG社製スイッチャKayakと一緒にビデオクリップボックス「TDコントロール」をデモンストレーションしていた。VJと一緒に初展示されたTDコントロールは同社の HDVG 4ビデオグラフィックスレンダープラットフォームをベースとした、ビデオクリップボックス。ビデオ+グラフィックスをシングルUIでレイアウト、グラフィックスオーバーレイやマルチソースのコントロールをこなしてスイッチャへ送り込むことができる。6ソース入出力に対応し、現在はSony MV 6000および8000とGrass Valley Kayakと親和性がとれている。

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ビデオクリップのレイアウト、合成とビデオソースのコントロールができることで、DVEやコンポーザーを統合した位置づけとして、コストを抑えるとともにワークフローのシンプル化を図れるとしている。新製品の価格は公表されていない。JVの出荷は2か月後を予定しているという。

(山下香欧)