米Facebookは2012年5月17日(現地時間)、新規株式公開(IPO)の公募価格を38ドルに設定したことを明らかにした。5月18日に米NASDAQ市場の「Global Select Market」で約4億2100万株を公開し、約160億ドルの調達を目指す。同社株は現地時間18日午前11時頃、NASDAQに新規上場する。
公開株式数は4億2123万3615株。予定数を超えた場合は6318万5042株を上限にオーバーアロットメント(追加割当分)を実施する。調達額はオーバーアロットメントが行使された場合、184億ドルを上回る可能性があり、ビザに次いで米史上2番目の規模となる。同社は5月3日に公募価格帯を28~35ドル、公開株式数を約3億8800万株と報告したが、今週初めに公募価格帯を34~38ドルに引き上げ、5月16日にはIPOの規模を約25%(約1億株)拡大している。
米ロイターが伝えたところによると、ダン・アンド・ブラッドストリートのリー・サイモンズ氏は、Facebook株の取引初日の上昇率が10~20%にとどまると予想しているという。大規模なIPOであるうえ、仮条件も引き上げられているため、大きく上昇することは難しいとしている。
Facebookに最初に投資したベンチャー・キャピタルのアクセル・パートナーズ社は今回の上場で19億ドルを手にする。昨年大型の資金調達ラウンドをリードしたゴールドマン・サックスは11億ドルである。
ちなみにシンガポール出身である共同創業者エドアルド・サベリン氏は、億万長者になりつつもアメリカ政府に対して数百万ドルの税金を支払わなければならなくなる。Facebook設立当時は3万ドルほど出資しており、今では出資価値は28.9億ドルとなっている。サベリン氏は昨年、税金対策として市民権を放棄している。ブルームバーグのアナリストによると、この行動により6700万ドルほど回避できるとしている。
(山下香欧)