去る8月7日、神奈川県守屋町のJVCケンウッド本社1Fにおいて、株式会社計測技術研究所の映像システム部門が内覧会「KG Visualware 2012 Summer」を開催した。

会場ではJVCケンウッドの4KカムコーダーGY-HMQ10とのコラボレーション展示のほか、4K-3Dモニタシステム、4K対応非圧縮レコーダーUDR-N50(コンテンツ制作用)、8Kスーパーハイビジョン対応超高速レコーダーUDR-40Sなど、本格化する4K映像時代に先駆けプロフェッショナル用・コンシューマー用の製品を組み合わせた各種ソリューションを展示した。

また、今回の展示会では4chのHDMIをSDIに変換する4KエンコーダーQMC-44HSの発表が行われた。同社では今回発表したQMC-44HSを基本モデルにとしてQuad MCシリーズ(Quad Media Converter)として4K対応の各種コンバーターを順次発売する予定だ。これらはカムコーダーや大画面テレビなど様々な製品が出揃い始めた4K映像機器間をプロフェッショナル用・コンシューマー用の違いを超えスマートに繋ぐソリューションとして、リーズナブルな価格でシステムを組む上でのカナメとしており、JVCの4KカメラGY-HMQ10と4K対応非圧縮レコーダーUDR-N50を接続した収録システムの紹介や、4chまたは8chのDVI入出力を装備した非圧縮レコーダーUDR-40SとJVCのDLAプロジェクターDLA-SH7との接続を行うなど、様々なアプリケーションを披露していた。

120809_KG1954.jpg

Quad MCシリーズとして発売が予定されているマルチプレクサやエンコーダー、デコーダーなどの製品

Quad MCシリーズは今回発表となった基本モデルの4KエンコーダーQMC-44HSのほかに、リファレンス端子を装備したQMC-44HS-PROや、SDIからHDMIへの変換(デコード)が可能なQMC-44SH-STD、QMC-44SH-PROなどを順次発売しラインアップを拡充して行く予定となっている。なお、外形寸法は同シリーズで共通化されており、専用の取り付け金具が用意されておりJVCのような小型カメラの下にもすっきりと収まる。HDMIは最大15mほどのケーブルしかなく、SDIへ変換することで100mほど延長することが可能となる。ラインナップは以下のとおり。

120809_KGlist.gif

対応している4Kのフォーマットは、3840×2160(QFHD)と4096×2160(DCI-4K)の2種類で、RGB444(8/10bit) およびYPbPr422(8/10bit)の入出力が可能。いずれのタイプも価格は20~30万円ほど。コネクターと信号の変換のみに特化することで、単独(1ch)のコンバーターを複数(4個)購入するよりもローコストとなっている。

120809_KG1970.jpg

4KカメラGY-HMQ10からのHDMIをSDIに変換することで、HDMIより長い延長ケーブルが使用可能なほか非圧縮レコーダーUDR-N50などのSDI入力の業務用機器との接続もできる

120809_KG1995.jpg

非圧縮レコーダーUDR-40SにJVCのプロジェクターDLA-SH7を接続した4Kシステム

120809_KG1919.jpg

10月に発売されるHDMI→SDIの基本モデルのほか、SDI→HDMI、HDMIおよびSDIのマルチプレクサなどが11月から順次発売される予定

120809_KG1986.jpg

映写デモのシステム

120809_KG1910.jpg

4Kコンパクト非圧縮SDIレコーダー UDR-N50

120809_KG1998.jpg

UDR-N50を利用した4面マルチ表示デモ