ソニーは、複数のHD映像信号や音声信号、各種制御信号を一本のネットワークケーブルでIP伝送する「NXL-IP55」を2013年1月に発売する。希望小売価格は税込み892,500円。

NXL-IP55は、今年4月に開発が発表され、米ラスベガスで開催されたNAB2012の同社ブースでも参考出展されていたプロフェッショナル映像制作向けのIPライブ伝送システム。放送品質のHD映像を1フィールド以内の遅延に抑えるとともに、ネットワーク経由で同期させたIP伝送を実現。これによりAV制御室と離れた場所に設置された複数のカメラ間の接続が可能となり、従来のケーブル敷設に比べてシンプルなシステムを構築できるとしている。さらに、NXL-IP55は一組で双方向のIP映像伝送が可能で、たとえばAV制御室でスイッチングされた映像出力を劇場側のNXL-IP55に超低遅延で戻し、大型スクリーンに映像を投射するといったシステム構築も行えるという。

また、NXL-IP55は、新製品の放送用カメラHDC-2000シリーズのIP伝送機能と組み合わせて運用することも可能で、HDC-2000シリーズのGbitネットワーク伝送回線の両端にNXL-IP55を接続することで、最大カメラ3台分の映像信号を伝送できるという。これにより、カメラとCCUを結ぶ一本の光複合ケーブルで最大4系統のHDカメラ映像の伝送ができるようになるため、スポーツ中継や劇場中継などで活用できるとしている。

さらに、2012年11月より、旋回型リモートカメラ「BRC-H900」、「BRC-Z700」 「BRC-Z330」にIP制御用アクセサリが追加され、IPリモートコントローラー「RM-IP10」と、オプショナルカード「BRBK-IP10」もしくは「BRBK-IP7Z」との組み合わせにより、IP技術を応用したフレキシブルなリモートカメラシステムの構築が可能となる予定だ。