Panasonic Connect Europe GmbHは、ISE 2026(ブース番号:Level 0—3J500)に出展し、プロジェクション、LED、ワークフロー・ソリューションにおよぶ包括的なポートフォリオを披露した。

IPMX認証取得とHDMI 2.1対応。イベントへの対応力を高めた「KAIROS v2.0」

まず目に飛び込んできたのは、ISEで欧州初披露となったIT/IPプラットフォーム「KAIROS」のソフトウェアバージョン2.0である。今回のアップデートでは、特にレンタル&ステージング市場を意識したスクリーンマネジメント機能の強化が印象的であった。HDMI 2.1やRGB 4:4:4への対応を拡張したことで、高画質が要求されるイベント現場での実用性が一段引き上げられた。また、規定フォーマットにとらわれない柔軟な解像度への対応や、複数の映像ソースを一括コントロールできる「マルチシーンコントロール機能」も加わり、イベント運用の幅がさらに広がった。

さらに、放送分野で標準的なST 2110に加え、AV市場向けに策定された「IPMX」の認証を正式に取得した点は、今後のIP化の流れを加速させる重要なステップだと感じた。

LEDプロセッサーメーカー4社とのアライアンス強化も発表されており、映像制作の自由度を広げる柔軟なエコシステムが着実に構築されている。

Rec.2020を95%以上カバー。新技術「VIVID PRIME™」が放つ力強い色彩美

プロジェクターの展示エリアでは、新たなコアテクノロジー「VIVID PRIME」を搭載した1チップDLPプロジェクター「PT-HTQ20」に注目した。既存の3チップモデル「PT-RQ25KJ」と比較されていたが、1チップでありながらその発色の鮮やかさは驚くべきレベルに達している。RGBレーザー光源の採用により、従来のRec.709色域よりも広いRec.2020色域を95%以上のカバー率で実現しており、現実の世界に近い忠実な色再現と圧倒的な没入感を実現していた。

1チップDLP特有の課題であったレインボーエフェクトについても、赤・緑・青・黄のカラー切り替えを高速化する独自の技術により、目視ではほとんど認識できないレベルまで抑制されている。色輝度も大幅に向上しており、3チップモデルと比較しても遜色のない映像空間を構築できる点は、大規模なインスタレーションにおいて大きな強みとなるだろう。

8,000lmクラス世界最小・最軽量を実現。パナソニック初の4K液晶モデル「PT-VMQ85」

また、実用面で強い関心を引いたのが、パナソニック初となる4K対応の液晶プロジェクター「PT-VMQ85」シリーズである。8,000lm以上の4K液晶レーザープロジェクターにおいて世界最小・最軽量を実現したという筐体は極めてコンパクトであり、会場のゴルフシミュレーターを用いたデモンストレーションでは、その設置性の高さが際立っていた。1.6倍のズームレンズと柔軟なスローレシオにより、スペースが限られたミュージアムやシミュレーション施設でも自由な配置が可能だ。

独自の2軸画素シフト技術により滑らかな4K表現を実現。没入感を高める高精細描写が特長だ。

環境負荷への配慮も徹底されており、本体プラスチック部品の約50%には再生樹脂を採用しながら高い電力効率を実現している点は、現代の設備導入において重要な評価ポイントになる。特に「ビビッドグリーンモード」によって鮮明に描き出された芝生の質感は、特定用途における液晶モデルの新たな可能性を提示していた。

ブース全体を通して、ハードとソフトが高度に連携し、多様な制作環境のニーズに即応しようとする同社の強い意志を感じ取ることができた。