米ソニー・エレクトロニクスは10月30日(現地時間)、4K対応の次世代シネマカメラ「PMW-F5」と「PMW-F55」を発表した。昨年発売されたデジタルシネマカムコーダー「PMW-F3」の後継機にPMW-F5、そしてPMW-F55はその上位系に位置づけられるようだ。
PMW-F5は、ネイティブに2Kまで対応(4K収録にはオプションのRAWポータブルレコーダーが必要)。対して上位機種のPMW-F55 は、グローバルシャッターやワイドレンジのカラーガンマ、ネイティブに4Kまで対応する。両機種とも、最新の4096×2160スーパー35mmサイズCMOSイメージセンサー(総画素数11.6Mピクセル)を実装し、最新コーデックのXAVC MPEG-4 AVC/H.264をはじめ、SRMASTERフォーマット(1920×1080、MPEG4 SStP)、XDCAM 50Mbps 4:2:2といったマルチコーデックに対応する。2基のSxS PRO+スロットを実装しており、パラレルでマルチコーデック記録ができるという。また、同リリースするAXS-R5 RAWポータブルレコーダーを本体にドッカブル接続すれば、内部記録と同時にRAWファイルとして記録できるほか、PMW-F55であれば240コマ/秒まで、またPMW-F5であれば120コマ/秒までのスロー映像の記録が可能となる。
本体と共に新しい6本セットのT.2.0単焦点PLレンズも揃う。レンジは20/25/35/50/85/135mmだ。ソニーPLマウントを採用しており、Angénieux、ARRI、 Canon、Carl Zeiss、Cooke、FUJIFILMやLeicaレンズに対応できるほか、FZマウントを装着してスチルカメラレンズ(Canon EF、Canon FD、Nikon DX、Nikon G、Leica M、2/3インチ B4)も実装可能となる。またFZマウントでソニー製のオートフォーカス・サーボズームレンズ(SCL-Z18X140)も実装できる。
さらに、OLED/LCDビューファインダーや、PCやMacとダイレクトに接続できる、2K/4K RAWファイルを記録する新AXSMアクセスメモリシステム(メモリーカードは512GB)を発表している。OLED/LCDビューファインダーは有機ELであるDVF-EL100 OLED(1280×720)、LCDにDVF-L350(3.5インチ:1920×1080)があり、リグに装着せずに使える。
PMW-F5とPMW-F55の出荷時期は2013年2月を予定、価格は正式には発表されていないが、PMW-F5本体で22,000〜25,000ドル、ポータブルレコーダーが19,000ドル程度とされている。また日本での発売についてもまだ発表されていない。
価格帯といえば、RED DIGITAL CINEMAの創立者であるジム・ジャナード氏が先週、製造ラインでのコスト削減が可能なことを理由にEPICカメラの価格を下げることをブログで示唆している。またキヤノンでも10月末より4KシネマカメラEOS C500シリーズを順次発売するとしている。価格はオープンだが、230万円前後での販売が予想されている。
ハンドルとビューファインダー部分が本体と分かれているモジュラーシステムになっているのは現行からの大きな改良点だ
(山下香欧)