Google社で長引いていたモトローラ・ホームビジネス部門の売却が、クリスマス休暇前に決着がついた。同社はArris Group社と現地時間12月20日遅くに、23.5億ドル(約1980億円)で売却する合意に至ったという。内訳は、合意後による株利子の調整を条件に、現金20.5億ドルと新たに発行されたArris社株3億ドル分となる。正式な取引成立時期は規制当局の承認次第だが、2013年第2四半期までを予定している。

昨年夏に買収したモトローラモビリティのホームビジネス部門を競売にかける件で、ケーブル事業者向けのハードウェアメーカーのArris社、セットトップボックスメーカーのPace社(ペース)、エリクソン社など数社が入札者として名乗りを上げていたという。

Arrisはモトローラモビリティが保有する特許を取得するが、モトローラのCMTS部分の特許の一部はGoogleが保持するとも言われている。そもそもモトローラの特許は、Googleがモトローラを買収した一番の要因であった。その特許数は17000件にも及ぶ。

モトローラ・ホームビジネス部門を取り入れることでArris側の雇用者数は倍の4200人以上になり、売上げの30%はモトローラ側のセットトップボックス製品から得ることになると言われている。Arrisはシスコシステムズと並び、CMTS市場で強力な立場となる。

Googleは昨年8月に、自らハードウェアを持ってAndorid OSの市場を活性化させるため、スマートフォン主要メーカーのモトローラモビリティ・ホールディングスを125億ドルで買収した。

しかしその後、Googleが米国証券取引委員会に提出した報告書によると、モトローラモビリティは過去16四半期で14四半期も予測以下の利益しか上げていないため、収益性を上げるための施策として雇用と施設削減に挑んでいた。8月には、雇用削減の2/3が米国内で行われ、90拠点の1/3程度の閉鎖および統合を発表している。

(山下香欧)